演題抄録

一般口演

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

食道癌術後の栄養評価:胸腔鏡手術と開胸手術の比較

演題番号 : O1-5

[筆頭演者]
末松 秀明:1 
[共同演者]
國崎 主税:1、田中 優作:1、佐藤 渉:1、佐藤 圭:3、宮本 洋:1、小坂 隆司:1、湯川 寛夫:1、田中 邦哉:1、秋山 浩利:3、利野 靖:2、益田 宗孝:2、遠藤 格:3

1:横浜市立大学・附属市民総合医療センター・消化器病センター外科、2:横浜市立大学・附属病院・外科治療学、3:横浜市立大学・附属病院・消化器腫瘍外科学

 

【背景・目的】食道癌に対する胸腔鏡下食道切除術は広く行われてきており, 術後短期の肺炎などの合併症率の低下, 疼痛緩和に伴うQOLの向上などが報告がされているが, 中長期のQOLや栄養状態に関する検討は少ない. 今回, 術後中長期の栄養状態の評価を行い, 胸腔鏡手術の有用性について検討した.
【方法】2000年1月から2015年12月までに手術を施行し, 再発のない食道癌切除症例(胸腔鏡補助下食道切除群(V群):74例,開胸食道切除群(O群):21例)に対し,両群間の年齢,性別,進行度を説明変数としたロジスティック回帰によりpropensity scoreを推定し,case-matched control studyを行った.Matching施行後の40例(VATS群:20例,Open群:20例)を対象とし, 術前, 術後1年, 術後3年の栄養状態について比較検討した.
【結果】術前栄養評価:PNI(V群 50.7 vs. O群 50.3, p=0.765), Hb(V群 13.4 vs. O群 12.9, p=0.284), Alb(V群 4.24 vs. O群 4.13, p=0.250), GPS(V群 0 : 1 : 2 / 17(85%) : 3(15%) : 0(0%) vs. O群 0 : 1 : 2 / 19(95%) : 1(5%) : 0(0%), p=1.000)と2群間で差がなかった.
術後1年栄養評価:PNI(V群 51.5 vs. O群 49.7, p=0.149), Hb(V群 12.9 vs. O群 12.3, p=0.059), Alb(V群 4.33 vs. O群 4.15, p=0.025), GPS(V群 0 : 1 : 2 / 18(100%) : 0(0%) : 0(0%) vs. O群 0 : 1 : 2 / 20(100%) : 0(0%) : 0(0%), p=1.000)とV群でAlb高値であった.
術後3年栄養評価:PNI(V群 50.4 vs. O群 50.2, p=0.872), Hb(V群 13.1 vs. O群 12.7, p=0.191), Alb(V群 4.26 vs. O群 4.25, p=0.883), GPS(V群 0 : 1 : 2 / 18(90%) : 1(5%) : 1(5%) vs. O群 0 : 1 : 2 / 13(93%) : 1(7%) : 0(0%), p=0.750) と2群間で差がなかった.
Two-way analysis of varianceで術前、術後1年、術後3年を比較すると, 両群間でのPNI(p=0.298), Hb (p=0.800), Alb(p=0.198) , GPS(P=0.562)の推移に有意差は認めなかった.
【結論】食道癌に対するアプローチは中長期の栄養状態に影響しないと考えられた.今回の検討は少数例の検討であるので, 多くの症例の集積・検討が必要である.

キーワード

臓器別:食道

手法別:QOL

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