演題抄録

がん診療ガイドライン統括・連絡委員会企画シンポジウム

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

がん診療ガイドラインが果たす更なる役割の認識へ向けて

演題番号 : GL-13

[筆頭演者]
平田 公一:1,3 
[共同演者]
藤原 俊義:2、今村 将史:3、沖田 憲司:3

1:北海道旅客鉄道株式会社JR札幌病院・外科、2:岡山大学・大学院医歯薬学総合研究科・消化器外科学、3:札幌医科大学・医学部・消化器・総合、乳腺・内分泌外科

 

本邦のがん患者数の増加が明らかな今日、国際情勢と現状の本邦の医療制度・体制を鑑みるにつけ、がん研究に関わる学術団体として、先見性ある新たな科学的分析行動を示す時期を迎えている。科学的、戦略的なvisionを明示していかなくてはならない。診療効率の高い高質な医療の提供、心の通う医療・福祉体制の進展のために、真摯な討論の下、早期のvision実現へ向けて、新たな歩みを始めるべき時期を迎えている。
これまで日本癌治療学会が牽引組織として、多くのがん研究専門系学会・研究会の協力を得つつ、がん診療ガイドラインの公表体制は確立・成熟している。希少がん種領域にも浸透し尽力の結果が示されている。その結果、推奨医療の分析・評価も可能となり、minimal requirement体制は整ったと考えられるものの、「真の医療の質向上」が図られているのか、そのための協調体制を築く指導性を発揮できているのかという問いの解答については、未だであるといわざるを得ない。むしろ、我々は責を果たしえていないと自らに言い聞かせ前進して行くべきではないだろうか。例えば患者さん団体、各職種団体との詰めの討論が可能な時期を迎えつつあると実感している。がん診療ガイドラインの中身にとどまらず、医療制度に関わる課題であっても躊躇せず、面倒がらずに濠を埋める情報提供が要求されている。
世を謳歌する'イノベーション'の語が一人歩きし実勢がなくてはいけない。世の変動に負けぬ新たな理念の発案と実行に委ねたい。そのための前進を期待したい。ガイドラインの作成に留まらず、その分析・評価を先行させている学術団体に見習うことは必須である。学会等の機能、社会貢献を評価することが必要とならぬ姿勢を観たいところである。生真面目な国民性を有効に機能し得ていない実情を直視し、日本のがん医療が世界に冠たる質を担保し続けることへ共に努力をしたいものである。国民のだれもが、本邦のがん医療者組織は先見性のある行動をとり続けていると、国際的に自負できる世を醸成させていきたい。他国の体制を学びつつ、しかし追随することに留まらず、がん患者さんの為のがん医療を展開し続けることを心に刻みし直し、躊躇・停滞することなく、良き医療、福祉体制確立を目指して真の活躍、貢献へつなげたいものである。

前へ戻る