演題抄録

がん診療ガイドライン統括・連絡委員会企画シンポジウム

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

日本版膵・消化管神経内分泌腫瘍(NET)診療ガイドラインの出版と改定

演題番号 : GL-8

[筆頭演者]
今村 正之:1,2 
[共同演者]
河本 泉:1、増井 俊彦:3、伊藤 鉄英:4

1:関西電力病院・神経内分泌腫瘍センター、2:京都大学・大学院医学研究科、3:京都大学・大学院医学研究科・肝胆膵・移植外科、4:国際医療福祉大学山王病院・神経内分泌腫瘍センター

 

本邦における神経内分泌腫瘍は、消化器臓器に約60%発生し、次に肺・胸腺などの30%となっている。消化器においては、膵・十二指腸発生が最多で、次に直腸、胃の順に多い。この発生頻度分布はアジア諸国と同様であり、小腸NETの多い欧米諸国とは明らかに異なっていて人種差が示唆される。本邦における「膵・消化管神経内分泌腫瘍診療ガイドライン」は2015年に日本神経内分泌腫瘍研究会から出版された。NETは希少癌に属するが、発生頻度、有病者ともに増加の傾向にあり、一般診療医が診察する機会が増加していることもあり、本ガイドラインの出版は歓迎されて増刷を重ねている。その後いくつかの抗NET薬が承認され、111Inを用いるソマトスタチン受容体シンチグラフィー(SRS)が承認されたこと、さらに国際的な臨床試験により新しいデーターが積み重ねられているので、来年度に第2版の出版を予定して準備に入っている。
実診療においては、peptide receptor radionuclide therapy (PRRT)の有効性が国際的な臨床試験で証明されたことが大きな進歩であったが、本邦でも、治験が核医学会主導で小腸NETを中心に進んでいる。近い将来の本邦での実施に期待したい。また、京都大学でのみ実施されている68Ga-DOTATOCによるSRSは、現在、国際的には標準的SRSとなっているので、本邦での早期実施に向けた対策が要望されるところである。
幸い、NETに対する関心の増大と研究者の増加がみられ、基礎研究や臨床研究が高まりを見せていて本邦から発信されるデーターも増えて来ている。将来に十分期待できるのが現実である。

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