演題抄録

がん診療ガイドライン統括・連絡委員会企画シンポジウム

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

甲状腺腫瘍診療ガイドライン

演題番号 : GL-7

[筆頭演者]
岡本 高宏:1 
[共同演者]
小野田 尚佳:2、伊藤 康弘:3

1:東京女子医科大学・医学部・外科学(第二)、2:大阪市立大学・大学院医学研究科・腫瘍外科、3:医療法人神甲会隅病院・外科

 

日本甲状腺外科学会と日本内分泌外科学会は甲状腺腫瘍診療ガイドラインを2010年に公開した。より良い診療ガイドラインを目指して"進化"させるべく、3つの視点から改訂作業を行っている。
(1)「エビデンスに基づくガイドライン」から「エビデンスに基づく診療を可能にするガイドライン」へ
医療の実践においては的確に診断できない、治療効果が期待通りでない、あるいは原因を詰め切れない、など不確実さがつきまとう。エビデンスとはそうした不確実さ(あるいは確実さ)を示す数値である。具体的な数値(エビデンス)を知ることで、個々の診療における決断を患者や家族と共有することができる。ガイドラインはエビデンスに基づくべきであるが、具体的な数値(エビデンス)を分かりやすい形で提示することで「エビデンスに基づく診療」がより実現可能になる。
(2)ガイドライン作成方法の進化
改訂作業の参考としたのは、日本医療機能評価機構の医療情報サービス(Medical Information Network Distribution Service: Minds)が提唱する「診療ガイドライン作成の手引2014年」である。各Clinical question (CQ)に対して利益、害、そして患者視点の3つのアウトカムを考慮した。文献の系統的博捜により、いくつかのCQ(アウトカム)に対しては系統的レビューを採用したが、作成委員会として新規のレビューを実行することはなかった。
(3)知識の拡大
各CQに関連して、2010年以降にも複数の臨床研究が報告されている。甲状腺腫瘍の領域ではランダム化試験を含む前向き研究が少なく、多くが後向き観察研究である。質の高い臨床研究が少ないなかで、エビデンスの妥当性をどのように評価し、表現し、ガイドラインに組み込むかが最も大きな課題である。

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