演題抄録

がん診療ガイドライン統括・連絡委員会企画シンポジウム

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

がん診療ガイドラインの作成方法

演題番号 : GL-4

[筆頭演者]
吉田 雅博:1,2 

1:財団法人化学療法研究会化学療法研究所附属病院・人工透析・一般外科、2:公益財団法人日本医療機能評価機構・EBM医療情報部(Minds)

 

1. EBMと診療ガイドライン
診療ガイドラインは、EBMを実践するための資料という位置付けと考えられている。EBMの3要素は、①Expertise:医師の技量、専門性、 ②Evidence:根拠(Meta-analysis, RCT)、③Patient's preference:患者の意見・希望(患者の経済的、性格的価値観、既往歴、年齢、他)であり、診療ガイドラインでもこの3要素が重視されている。
2. 診療ガイドラインの定義
診療ガイドラインは、「診療上の重要度の高い医療行為について、エビデンスのシステマティックレビューとその総体評価、益と害のバランスなどを考量して、患者と医療者の意思決定を支援するために最適と考えられる推奨を提示する文書」と定義されている。
3. 診療ガイドライン作成方法
(1)臨床質問(CQ)作成
癌治療ガイドラインのCQは、癌治療に関する現在の日本での重要な臨床課題を核として、臨床医にとって利用しやすいように具体的な記載内容とすることが重要である。
(2)エビデンス(根拠)の検索、評価、統合(システマティックレビュー)
エビデンスの強さは、その推奨診療を支えるのにどれほど確かか、を表している。論文内容を吟味して、①バイアスの程度、②非直接性、③非一貫性、④不精確性、⑤出版バイアスを検討し、エビデンス総体として評価する。
(3)推奨診療
推奨の強さは①エビデンス、②益と害、③患者の希望、④経済評価や資源の利用を参考にして、委員会によるコンセンサス会議と投票によって決定する。可能な限りのエビデンスを提示した上で日本の実臨床、保険不適応等を勘案して推奨度を設定する。
(4)活用・導入
作成された診療ガイドラインが医療の質向上に役立つためには、ガイドラインをいかにして臨床に普及させるかが重要になります。インターネット公開は広報する一つの手段として有効である。
(5)利益相反の管理
経済的なCOIに加えて、学術的なCOIの申告・管理が重要である。参加者はいずれも、何らかのCOIを持っていると考えられ、COIの有無よりも、むしろ、COIをどのように管理して、偏りのない作成方法を用いたかが重要と考えられている。

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