演題抄録

がん診療ガイドライン統括・連絡委員会企画シンポジウム

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

第3期がん対策推進基本計画について

演題番号 : GL-1

[筆頭演者]
久保田 陽介:1 

1:厚生労働省健康局がん・疾病対策課

 

国のがん対策は、平成18年6月に成立した「がん対策基本法」に基づいて実施されている。がん対策基本法の下での対策の方向性を示す「がん対策推進基本計画」は、平成19年6月に第1期が閣議決定され、平成24年6月に第2期の基本計画として改定された。第2期の基本計画では、「がんによる死亡者の減少」、「全てのがん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上」、「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」という3つの全体目標を掲げ、新たに小児がん、がん教育、がん患者の就労を含めた社会的な問題等について取り組む等、国はその達成に向けて、総合的かつ計画的に取り組み、死亡率の低下や5年相対生存率が向上する等、一定の成果が得られたところである。
さらに、がん対策において取組が遅れている分野について、取組の一層の強化を図るため、平成27年12月には、「がん対策加速化プラン」が策定された。
しかしながら、平成19年度からの10年間の目標である「がんの年齢調整死亡率(75歳未満)の20%減少」については、達成することができず、今後、がんの年齢調整死亡率を低下させていくために、予防のための施策を一層充実させていくことが必要とされた。
また、希少がん、難治性がん、小児がん、AYA世代(思春期世代と若年成人世代)のがんへの対策、ゲノム医療等の新たな治療法等の推進、就労を含めた社会的な問題への対応が必要であること等が明らかとなってきた。
さらに、平成28年の法の一部改正の結果、法の理念に、「がん患者が尊厳を保持しつつ安心して暮らすことのできる社会の構築を目指し、がん患者が、その置かれている状況に応じ、適切ながん医療のみならず、福祉的支援、教育的支援その他の必要な支援を受けることができるようにするとともに、がん患者に関する国民の理解が深められ、がん患者が円滑な社会生活を営むことができる社会環境の整備が図られること」が追加され、国や地方公共団体は、医療・福祉資源を有効に活用し、国民の視点に立ったがん対策を実施することが求められている。
第3期基本計画は、このような認識の下、第2期の基本計画の見直しを行い、がん対策の推進に関する基本的な計画を明らかにするものである。
今回は、第3期「がん対策推進基本計画」の目指すべき方向性について言及したい。

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