演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

消化器癌化学療法のステロイド前投薬による骨代謝系への影響を検討する前向き調査研究

演題番号 : WS92-4

[筆頭演者]
中村 路夫:1 
[共同演者]
石黒 敦:2、村中 徹人:3、結城 敏志:4、村井 太一:1、松田 千佳:1、大場 彩音:1、板谷 一史:1、工藤 俊彦:1、永坂 敦:1、西川 秀司:1、大野 浩太:5、小松 嘉人:3

1:市立札幌病院・消化器内科、2:医療法人渓仁会手稲渓仁会病院・腫瘍内科、3:北海道大学・病院・腫瘍センター、4:北海道大学・病院・消化器内科、5:北海道大学・病院・臨床研究開発センター

 

【はじめに】ステロイドは全身化学療法に際して制吐目的のほかアレルギー予防にも用いられる重要な薬剤の一つである。このステロイドの継続使用による有害事象としてステロイド性骨粗鬆症が知られているが、これまでに全身化学療法施行時に使用されるステロイドが骨代謝系へどのような影響を及ぼすのかについて検討した報告はない。
【目的】消化器癌に対する全身化学療法施行時に前投薬として用いられる定期的なステロイド投与が骨代謝系へ及ぼす影響について検討した。我々は以前の報告で主要評価項目として骨密度の低下が認められることを報告してきたが、今回は副次評価項目である、原発部位別・使用レジメン別・ステロイド使用間隔別・ステロイド総投与量などといった各因子と骨密度変化の関連性について報告する。
【方法】主な適格基準として1)消化器癌であることが病理学的に確認された症例、2)前投薬として定期的なステロイド投与(毎週、隔週、3週毎)が行われる症例、3)20歳以上の症例、をみたす症例を対象とし、治療開始時と16週経過時点での骨密度ならびに骨代謝マーカー(血清NTXおよび血清BAP)の変化を前向きに比較検討した。
【結果】2013年6月から2015年4月までに関連施設において98症例が登録された。解析対象74例中55例(74.3%)において16週後の腰椎骨密度の低下が認められ、平均-1.9%(95% CI, -2.7 to -1.1%)の減少率であった。骨代謝マーカーに関してはNTXでは有意差は見られなかったが、BAPにおいて統計学的に有意な上昇が認められた(P=0.010)。原発部位別・使用レジメン別・治療間隔別・補助化学療法であるか否か・ステロイド追加使用の有無・ステロイド総投与量および用量強度といった項目のいずれにおいても腰椎骨密度変化との相関は認めなかった。
【結語】全身化学療法を施行する際の定期的なステロイド前投薬により、原発部位・使用レジメン・治療間隔・補助化学療法であるか否か・ステロイドの追加使用の有無・ステロイド総投与量および用量強度と行った項目に関わらず、骨密度の低下が起こることが示された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:臨床試験

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