演題抄録

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開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

当院での進行大腸癌に対する化学療法におけるB型肝炎ウイルスの再活性化の検討

演題番号 : WS92-2

[筆頭演者]
普久原 朝史:1 
[共同演者]
勝田 充重:1、仲松 元二郎:1、寺本 彰:1、木村 典世:1、清水 佐知子:1、近藤 章之:1、松川 しのぶ:1、高木 亮:1、小橋川 嘉泉:1、仲村 将泉:1、仲吉 朝邦:1、金城 福則:1、前城 達次:2

1:社会医療法人仁愛会浦添総合病院・消化器内科、2:琉球大学・医学部・第一内科

 

【目的】当院で切除不能進行大腸癌と診断され化学療法を導入された症例におけるB型肝炎ウイルスの検査状況および再活性化を認めた症例に関して検討する。【対象】2009年10月から2016年2月までに当院で診断され化学療法を開始した切除不能進行大腸癌の125症例【方法】化学療法導入前のHBs抗原・HBs抗体・HBc抗体・HBV DNA量および化学療法開始後の推移を検討した【結果】年齢の中央値は65歳(32~87)で男性71例、女性54例であった。化学療法を導入した125例中HBs抗原陽性は5例(4%)で、全例HBV-DNA陽性であった。5例中2例は核酸アナログの投与が行われずに化学療法が導入されたが、うち1例に肝炎の急性増悪を認め核酸アナログ投与を行った。残る3例では核酸アナログの投与を行い肝炎発症は認められなかった。HBs抗原陰性であった120例症例のうちHBs抗体もしくはHBc抗体が陽性であったのは42例(35%)で、うち35例が化学療法導入前にHBV-DNA量を測定され全例検出感度以下であった。化学療法前にHBV-DNA量が未検であった1例を含めて3例が化学療法中にHBV-DNAが検出感度以上となった。化学療法前に未検であった1例はHBV-DNA量が2.1 log copies/mL未満であり核酸アナログ投与が行われなかったが、残る2例は核酸アナログを投与し再活性化は認められなかった。【考察】免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドラインではHBs抗原陽性患者の再活性化の頻度は24~53%とされているが、HBs抗原陰性でありHBs抗体もしくはHBc抗体陽性の患者での再活性化の頻度は1.0~2.7%とされている。今回の検討ではHBs抗原陽性患者1例に肝炎の急性増悪を認めたが、核酸アナログの投与を行った症例では肝炎の急性増悪や再活性化は認めなかった。沖縄県は全国と比べるとB型肝炎のキャリアや既往感染が多く化学療法の際の十分なスクリーニングが重要であると考える。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:疫学・予防

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