演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

大腸癌化学療法における肝動注化学療法(レスキュー肝動注)の有用性の検討

演題番号 : WS91-6

[筆頭演者]
石川 敏昭:1 
[共同演者]
山内 慎一:2、石黒 めぐみ:3、十倉 三千代:2、花岡 まりえ:2、菊池 章史:2、安野 正道:2,3、植竹 宏之:1

1:東京医科歯科大学・大学院医歯学総合研究科・総合外科学分野、2:東京医科歯科大学・大学院医歯学総合研究科・消化管外科学分野、3:東京医科歯科大学・大学院医歯学総合研究科・応用腫瘍学講座

 

【背景】大腸癌化学療法では多剤併用療法を中心に治療の急激に進歩してきた。しかし、進行癌の随伴症状により全身状態が不良となり多剤併用療法が開始できない症例は少なくない。5-FUによる肝動注化学療法(HAI)は肝外病変への効果が期待できないが肝転移の制御能は高く、全身への負担は少ない。当科では肝転移により全身化学療法が困難な症例に対して肝障害および全身状態の改善と全身化学療法への移行を目的としたレスキューHAIを積極的に行っている。2015年以降のRAS野生型症例にはHAI+セツキシマブ(Cmab)療法を施行している。【目的】当科におけるレスキューHAIの治療成績を解析し、その有用性を検討する。【方法】2006年~2015年にレスキューHAIを行った17例について奏効率、全身化学療法移行率、レスキューHAI開始からの全生存期間(OS)を検討した。
【成績】Performance status (>3)、炎症反応(白血球数>10000、CRP>5、発熱>38.5度)、肝機能障害(GOT/GPT>100、ALP>500、T-Bil>2.0)等の指標を参考に全身化学療法の開始が困難な肝転移症例に対してレスキューHAIを行った。レスキュー肝動注単独は15例に行いPR:4例、SD:8例、PD(肝転移):1例、1コース後中止(本人希望):2例で奏効率は31%(4/13)だった。PRおよびSDだった12例(80%、12/15)は全身状態が改善し、10例が多剤併用全身化学療法へ移行した(移行率:67%(10/15))。移行できなかった2例の理由は、全身状態改善後の肺炎および多発骨転移の発症だった。重篤な合併症は認めなかった。OS中央値は15か月(1~52か月)だった。HAI+Cmab療法は2例に施行し、2例(肝転移H3+癌性腹膜炎1例、肝転移H3+リンパ節転移+骨転移:1例)ともPRで全身化学療法への移行が可能となった。
【結論】重篤な肝転移による随伴症状で全身化学療法が困難な場合はBSC(best supportive care)を選択せざるを得ない場合がある。レスキューHAIは高度肝転移を伴う切除不能・進行再発大腸癌に対する治療戦略における治療法の選択肢の1つとして有用である。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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