演題抄録

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開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

全身化学療法に抵抗性を示した大腸癌多発肝転移に対する肝動注療法の治療成績

演題番号 : WS91-5

[筆頭演者]
森川 充洋:1 
[共同演者]
吉田 祐:1、田海 統之:1、嶋田 通明:1、呉林 秀崇:1、加藤 成:1、藤本 大裕:1、小練 研司:1、村上 真:1、廣野 靖夫:1、前田 浩幸:1、片山 寛次:2、五井 孝憲:1、山口 明夫:1

1:福井大学・医学部・第一外科、2:福井大学・医学部・がん治療推進センター

 

【背景】切除不能大腸癌に対する化学療法の発展によりその予後は改善してきているが、Oxaliplatin(L-OHP),Irinotecan(CPT-11),分子標的薬使用後の3rd line以降の治療効果は非常に低い現状である.肝動注療法の効果については一定の見解がなく,ガイドライン上も有効性は確立されていないとされている.当科において上記の全身化学療法に抵抗性を示した大腸癌多発肝転移に対して,3rd line以降に肝動注療法を施行した結果について報告する.
【対象】5FU,L-OHP,CPT-11,分子標的薬を含めた全身化学療法に抵抗性を示した大腸癌多発肝転移症例において,肝転移巣が予後規定因子となり切迫肝不全の状況下にある10症例を対象とした.肝動注療法はLV 250mg/m2を2時間で投与したのち5FU 600mg/m2を5分で動注する方法で行った.週1回の間隔で6回を1コースとし,1コース終了毎にCTにて効果判定を行った.
【結果】1コース終了後の奏効率はPR 4例,SD 4例,PD 2例であり,disease control rateは80%であった.無増悪生存期間の中央値は4か月であり,全生存期間の中央値は9か月であった.K-ras mutantの症例を3例認めたが,2例にPRあるいはSDが得られ,それぞれPFSは4か月,5ヶ月であった.多発肝転移による下腿浮腫や全身浮腫,全身倦怠感といった随伴症状も,肝動注療法後に改善する症例が多く認められた.肝動注療法に起因したgrade3以上の有害事象は認めなかった.
【考察】多発肝転移により切迫肝不全の状況の症例が多い中で,肝動注療法は比較的良好な成績が得られ,3 rd line以降の治療として対象の選択は必要であるが一定の効果が得られるのではないかと推察された.K-ras mutantの症例にも効果が得られる可能性が考えられた.有害事象も少なく全身状態も改善する症例が多く,緩和治療の観点からも有効性の高い治療となる可能性が示唆された.

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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