演題抄録

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開催回
第54回・2016年・横浜
 

切除不能進行・再発大腸癌肝転移に対する姑息的治療としての肝動注療法の検討

演題番号 : WS91-4

[筆頭演者]
森田 吉多佳:1 

1:独立行政法人国立病院機構神戸医療センター・放射線科

 

切除不能進行・再発大腸癌に関しての標準治療が全身化学療法で有る事は異論をはさむ余地はない。また、本邦では、生命予後因子が肝転移と考えらる症例では、肝動注療法が歴史的に多数の施設で施行されてきた。
しかし、近年の全身化学療法の発達で治療成績も向上。動注療法は大規模臨床試験のデータが乏し事もあり近年は漸減傾向にある。
ただ、標準的全身化学療法であるFOLFOX、FOLFIRIに分子標的薬を併用し、1次治療から3次治療で全て抗腫瘍薬を使い切ってしまい、かつその時点で腫瘍はまだ残存しているような状態は臨床上良く経験することである。特にその時点で生命予後因子が肝転移と考えられた症例に対して、当院では肝動注化学療法を行ってきた。
今回は標準的治療として、FOLFOX、FOLFIRI+分子標的薬での治療後に生命予後が肝転移と考えられた症例で肝動注を施行された12例に関して検討した。
(方法)
対象は2008年9月より2015年12月までに標準的治療が施行されたのちに肝動注療法が選択された12例。
男性5例、女性7例。年齢中央値64才(53才~82才)全例標準的化学療法後の患者。
(結果)
肝動注施行期間は中央値98日(5日~444日)
全身化学療法開始からの生存期間は541日(178日~977日)
動注開始後の生存期間は183,5日(10日~476日)
(考察)
3次治療以降の後方ラインとして標準的治療になっているRegorafenibのOSが192日と考えると遜色ない結果ではある。少数例のretrospectiveな研究なのでevidenceには乏しいが、副作用を考えてもRegorafenibの副作用より動注は軽微であり、かつ経済的にも非常に安価である。大腸癌肝転移に関しては肝転移が生命予後因子である場合、姑息的な肝動注も選択肢の一つであるとも考えられる。治療の選択肢の一つに考えても良いのではないだろうか。今後は前向き試験を実施してevidenceを確立していくことが望まれる。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:集学的治療

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