演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

進行再発大腸癌治療のサルベージラインにおけるRegorafenibとTAS-102の治療成績

演題番号 : WS91-2

[筆頭演者]
中田 健:1 
[共同演者]
辻江 正樹:1、澤田 元太:1、三上 城太:1、岸本 朋也:1、中平 伸:1、間狩 洋一:1、山村 順:1、神垣 俊二:1、池田 直樹:1、藤田 淳也:1、大里 浩樹:1

1:堺市立総合医療センター・外科

 

【はじめに】切除不能進行再発大腸癌に対するサルベージラインとして、近年Regorafenib(以下R-nib)とTAS-102が相次いで発売された。いずれの薬剤も内服による通院治療で、腫瘍縮小効果よりもQOLを維持しながら生存期間の延長をもたらすことが期待されている。しかしながら現在のところ、それぞれの薬剤の実臨床での使用状況や治療成績などは不明な点が多く、各施設で経験を積みながら工夫を重ねている。
【目的】当院でのR-nibとTAS-102の治療成績を明らかにし、それぞれの有効性・安全性を評価するとともに、2剤の使用時期や使い分けについて検討することを目的とした。
【対象と方法】R-nibおよびTAS-102の発売後2016年4月現在までに、当科にてそれぞれの薬剤を使用した患者を対象とし、治療成績を後方視的に検討した。
【結果】R-nibは2013年12月以来、17例に使用し、TAS-102は2014年6月以来、20例に投与していた。R-nibとTAS-102の2剤とも使用した症例は7例であり、すべてR-nib→TAS-102の順序であった。R-nibは3-4次治療に使用される事が多く、投与コースの中央値は2コース(1-8コース)で、治療期間は43日(7-229日)であり、病勢コントロール率は17.6%で、生存期間の中央値は152日(40-927日)であった。R-nibでは1コース目で有害事象により投与中止となった症例が7例(41%)あった。一方、TAS-102は4-5次治療が多く、投与コースの中央値は3コース(1-14コース)で、治療期間は88日(9-465日)であり、病勢コントロール率は18.2%で、生存期間の中央値は199日(20-566日)であった。TAS-102では1-2コース目でPS低下により投与中止となった症例が8例(40%)あった。最近ではTAS-102にBevacizumabを併用した症例も経験している。
【考察】両薬剤間の治療成績に大きな差はなかったが、R-nibは治療開始初期の有害事象による中止が多く、TAS-102は開始後間もなくPSの低下で治療を中止せざるを得なくなった症例が多かった。サルベージラインで両薬剤とも使用できたのは23%に過ぎなかったことから、より早い段階でこれら薬剤の適応を考えることで、治療期間ひいては生存期間の延長が得られる可能性がある。TAS-102+Bevacizumabは今後の症例蓄積が期待される。
【結論】R-nibとTAS-102はそれぞれ期待通りの有効性を示した。有害事象対策にはまだ改善の余地があり、さらに早い段階で使用するなど、両薬剤の効果を最大限引き出す工夫が必要と考えられた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

前へ戻る