演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

大腸癌治療における最適なSalvage Line treatmentを考える TAS-102の位置づけと効果

演題番号 : WS91-1

[筆頭演者]
中山 裕行:1,2 
[共同演者]
加藤 達史:1、一林 三保子:1,2、岡村 隆仁:1

1:大和高田市立病院・外科、2:大和高田市立病院・がん化学療法

 

【はじめに】切除不能、転移・再発進行大腸癌に対する化学療法はここ数年で効果が飛躍的に改善され、かつ薬剤の多様化するなか、どのアルゴリズムを選択し、いつレジメンを変更するのか、苦慮しなければいけないような状況にある。また、末梢神経障害・手足症候群に代表されるGrade 2以上の副作用が生じた場合、stop-and-go fashionで投与していくのか、レジメンチェンジを行うのか、減量・休薬するのかを迷う症例も多い。
【対象・方法】対象は切除不能、転移・再発進行大腸癌に対し2014年5月から2016年3月までにTAS-102を使用した11症例、男性:女性5人:6人、平均年齢50.1歳についてその効果および投与タイミングを検討したので報告する。
【結果】3rd / 4th lineで使用した症例がそれぞれ6例・5例。主たる副作用として骨髄抑制が認められたが、コントロール可能なGrade 1であった。 3rd / 4th lineの使用でも奏効率11.1%, 腫瘍制御率44.4%と比較的良好な結果を得た。他のレジメンと比較し、不定愁訴は少なく, 投与期間中のQOLは大きな変化なく維持された。前治療の効果が継続しているにも関わらず、副作用でレジメン変更を余儀なくされ、3rd / 4th lineでTAS-102を使用した症例は8例で、いずれの症例も2~8クール施行可能であった。さらにQOLを保ったまま、あらたなレジメンや以前に効果を認めたレジメンのRe-challengeが可能となった症例がそのうち7例(63.6%)も認められた。一方、前治療がPDになるまでstop-and-go fashionで投与され続けた3症例は、TAS-102使用は1クールのみの使用にとどまり、十分な効果も得られずterminal stageに至った。
【考察】レジメンチェンジのタイミングはSD以上の効果でもGrade 2以上の副作用が出現すれば変更し、QOLを維持した状態で、新たなレジメンを使用する事も一つのstrategyと成り得ると考える。TAS-102を全身状態が良い早い段階に使用する事でlong SDが期待された。従来の代謝拮抗剤とは作用機序が異なることが寄与していると考えられる。TAS-102使用に伴う患者のQOL低下は非常に少ない印象で不定愁訴も少なく、長期化学療法を施行した症例に対し肝機能の悪化なくQOLを維持し使用できる薬剤と考えられた。3rd lineで使用することで、4th lineの化学療法(レゴラフェニブ等)の効果をサポートしたり、効果があったレジメンのRe-challengeも可能となると考える。今後は、TAS-102+アバスチン併用療法も検討していく。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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