演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

菌状息肉腫症に対する全身皮膚電子線治療 ―Stanford法による治療成績―

演題番号 : WS84-6

[筆頭演者]
玉木 義雄:1,2 
[共同演者]
大野 豊然貴:2、関野 雄太:2,3、奥村 敏之:3、櫻井 英幸:3

1:筑波大学・附属病院・茨城県地域臨床教育センター、2:茨城県立中央病院・放射線治療科、3:筑波大学・放射線腫瘍科

 

【目的】菌状息肉症(以下MF)は皮膚T細胞性リンパ腫の一種で、我が国ではまれな疾患である。治療としては、進行期に従い様々なskin-direct therapyや全身治療が行われる。全身皮膚電子線治療(以下TSEBT)はski-directed therapyの一つで、広汎な皮膚病変を有するMFに対して適応があるとされている。しかし、我が国ではMFの頻度が少ないためTSEBTの経験がある施設は限られている。そこで、自験例について遡及的に治療効果を検討し報告する。【方法】2003年から2014年までに当院でTSEBTを行ったMFは5例であった。症例の内訳は、男性4例、女性1例で、TSEBT時の年齢は46歳から80歳(中央値65歳)、病期は全てがIB期(T2bN0)であった。全例が前治療を有し、その期間は5か月から33か月(中央値8か月であった)。電子線治療は、上半身と下半身に分けてそれぞれ6方向から治療を行う、6- dual field technique(Stanford法)を用いた。使用した電子線のエネルギーは6MeVで、投与線量は30Gy/30分割/6-9週が4例、28Gy/28分割/7週が1例であった。必要に応じて眼球や手足の遮蔽を行い、頭部や足底の低線量部位には追加照射を行った。TSEBT後の治療としては2例にPUVA療法が行われた。【結果】TSEBTの効果はCR4例、PR1例であった。PRの1例もほとんどの病変は消失していた。TSEBT後に体幹部皮膚へ再発した症例は4例で、無再発期間は0か月から56か月で、3例は5か月以内であった。他の1例はTSEBTから76か月後に無病生存中である。転帰は原病死2例、生存3例であった。死亡例ではTSEBTからの生存期間は11か月と32か月で、生存例ではそれぞれ65か月、76か月、154か月であった。TSEBTに伴う有害事象に関してはGrade 3以上の重篤なものは認めなかった。【結語】TSEBTはMFの治療として高い奏功率が得られる治療法である。しかし、治療後に早期に再発し二次治療に移行する例も多かった。放射線腫瘍学領域におけるTSEBTに対する最近の考え方やTSEBTと全身療法の併用に関しての考察も合わせて報告する。

キーワード

臓器別:造血器・リンパ

手法別:放射線治療

前へ戻る