演題抄録

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開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

経過観察中に手術適応となったIPMNより検討したAGA2015ガイドラインの検証

演題番号 : WS76-6

[筆頭演者]
木村 健二郎:1 
[共同演者]
天野 良:1、山添 定明:1、大平 豪:1、西尾 康平:1、亀谷 直樹:1、渋谷 雅常:1、柏木 伸一郎:1、平川 弘聖:1、大平 雅一:1

1:大阪市立大学・大学院・腫瘍外科

 

背景)2012年のIPMN/MCN国際診療ガイドラインでは嚢胞のサイズに応じて区分けした方針での追跡観察を推奨している一方、新しく発行されたAGAの2015年のガイドラインでは、5年間変化のない無症候性膵嚢胞は追跡検査を辞めることを推奨している。当科において観察期間中に切除適応となったIPMN症例を後方視的に検討し、AGAガイドラインの妥当性を検証した。
対象と方法)1994年から2015年12月までに切除した115例を対象とした。経過観察中に変化をきたし切除した症例(FU-IPMN)と初診時の診断で切除した症例(nonFU-IPMN)の比較検討を行った。尚、high grade dysplasia以上の異型度を癌とした。
結果)全115例中、FU-IPMNは47例(40.9%)であった。FU-IPMNの経過観察期間中央値は35.3ヶ月で、初診から5年以降の観察期間を経て切除に至った症例(5YFU-IPMN)は14例(12.2%)であった。FU-IPMNの切除時の癌化率は42.6%浸潤癌率27.7%であり、nonFU-IPMNの癌化率39.7%、浸潤癌率26.5%と比較し、癌化率・浸潤癌率に有意差を認めなかった。一方、FU-IPMNを5YFU-IPMNと5年以内の経過観察期間中に手術を施行したIPMN(non5YFU-IPMN)の2群に分け検討したところ、5YFU-IPMNの癌化率21.4%浸潤癌率14.3%でnon5YFU-IPMNの癌化率51.5%浸潤癌率33.3%と比較し、5YFU-IPMNの癌化率は有意に低い結果であった(p=0.049)。5YFU-IPMNのDSSは100%であった。
結論)適切な経過観察により、癌化率を高めることなく経過観察中の症例に対しても手術を施行できていた。5年以上の経過観察中に手術を施行したIPMNは全体の12.2%であり、適切なタイミングの手術により癌化率は低く予後も良好な結果であった。5年以降も経過観察を継続し、タイミングを逸することなく手術を施行すべきと考えられた。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:診断

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