演題抄録

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開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

膵癌術前治療の効果判定におけるPETの有用性

演題番号 : WS76-3

[筆頭演者]
水間 正道:1 
[共同演者]
有明 恭平:1、前田 晋平:1、高舘 達之:1、益田 邦洋:1、石田 晶玄:1、深瀬 耕二:1、坂田 直昭:1、大塚 英郎:1、中川 圭:1、林 洋毅:1、森川 孝則:1、内藤 剛:1、元井 冬彦:1、海野 倫明:1

1:東北大学・消化器外科学

 

<目的>最近、膵癌において術前治療の有用性を示す報告が増えてきているが、膵癌の術前治療では腫瘍マーカーの変化や組織学的治療効果とCTの所見の変化が必ずしも一致せずに乖離する場合がある。本研究は、膵癌術前治療の治療効果判定におけるPETの有用性を検討することを目的とした。
<方法>当科で膵癌に対し術前治療を行った後に切除術を施行した症例のうち、術前治療前後でPETを撮像した13例を対象とし、原発巣のSUVmax値の変化(SUVmax比;術前治療後SUVmax/術前治療前SUVmaxと定義)と組織学的治療効果(大星・下里分類)、CT所見によるRECIST、CA19-9の変化との関係について後方視的に検討した。
<結果>男性9例、女性4例、年齢中央値57歳(41-73)。腫瘍の局在は、頭部9例、体尾部1例、膵全体が3例であった。切除可能性の内訳は、門脈因子切除境界が1例、動脈因子切除境界が6例、動脈因子切除不能が3例、遠隔転移3例(腹部大動脈リンパ節転移2例、肝転移1例)であった。化学療法が5例、化学放射線療法が8例に施行された。術前治療期間の中央値は117日(61-423日)であった。術前治療前のSUVmax値は中央値が7.9(3.5-16.8)で、術前治療後は中央値4.9(0-10.9)と術前治療後で有意に減少した(p=0.0378)。組織学的治療効果は、大星下里分類でGrade IIAが9例、Grade IIBが4例であった。Grade IIBの4例のうち2例はRECISTでPR、SUVmax比は0と0.80、CA19-9も1例で術前治療後正常化(1例はマーカー陰性症例)し、どの因子も治療効果を反映していたが、残りのGrade IIBの2例はRECISTではSD、SUVmax比は0.29と0.51、CA19-9は1例で術前治療後正常化(1例はマーカー陰性症例)し、SUVmax比とCA19-9の変化は組織学的治療効果を反映していたが、RECISTの所見と組織学的治療効果は乖離していた。Grade IIA の9例はすべてRECISTでSDと判定されたが、うち6例がSUVmax比1以下でCA19-9はどれも治療後に減少、3例がSUVmax比1以上でうち2例はCA19-9が上昇していた。
<考察>膵癌術前治療において、SUVmaxの変化とCA19-9の変化は一致した変化を示す傾向にあり、SUVmax値の変化は病勢の代理指標として有用である可能性がある。術前治療後の切除可能性は、CT所見は必ずしも病勢を反映するとは限らないことから、PETや腫瘍マーカーを含めて総合的に評価する必要がある。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:手術療法

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