演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

膵癌切除症例における術前血清CA19-9値,CRP値,腫瘍径による術後早期再発予測

演題番号 : WS76-2

[筆頭演者]
蔵原 弘:1 
[共同演者]
前村 公成:1、又木 雄弘:1、迫田 雅彦:1、飯野 聡:1、川崎 洋太:1、南 幸次:1、上野 真一:2、新地 洋之:3、高尾 尊身:4、夏越 祥次:1

1:鹿児島大学・医学部・歯学部附属病院・腫瘍制御学消化器乳腺甲状腺外科、2:鹿児島大学・医学部・臨床腫瘍学、3:鹿児島大学・医学部・保健学科、4:鹿児島大学・フロンティアサイエンス研究推進センター

 

【背景・目的】膵癌は術後早期に血行性転移や局所再発をきたし予後は極めて不良である.血清CA19-9は膵癌において,診断や治療方針の参考に最も広く利用される腫瘍マーカーである.腫瘍径,CRPも術後再発と関連する因子として報告されている.今回,術前血清CA19-9,CRP,および腫瘍径の3因子を用いた術後早期再発予測の可能性を検討した.
【対象・方法】膵癌切除症例143例のうち,血清CA19-9値測定時に総ビリルビン値>2.0mg/dlであった6症例を除外した.ルイス式血液型抗原陰性症例を除外するために,血清CA19-9>5U/mlであった125症例(91.2%)を対象とした.術後1年以内の再発を早期再発群とした.
【結果】1)大きな腫瘍径,血清CA19-9高値,CRP高値,T因子(T3),リンパ節転移陽性の症例においてそれぞれ有意に高率な術後早期再発を認めた.2)ROC曲線で決定した血清CA19-9値の早期再発予測のためのカットオフ値は85U/mlであり,早期再発予測の感度は63.5%,特異度は86.3%であった.CA19-9≦85U/ml,CA19-9>85U/mlの症例の術後早期再発率はそれぞれ23.2%,76.7%であった.3)腫瘍径2cmをカットオフ値とすると,早期再発予測の感度と特異度はそれぞれ90.4%,42.5%であった.CRP値1.0mg/mlをカットオフ値とすると,早期再発予測の感度と特異度はそれぞれ21.2%,100%であった.4)血清CA19-9,CRP,腫瘍径の3危険因子の含有数により全症例を4群(0因子,1因子,2因子,3因子)に分類すると,各群における早期再発率はそれぞれ6.3%,35.2%,72.4%,100%であり,含有危険因子数により術後早期再発率は有意に高率となった(P<0.001).5)上記の3危険因子を用いた術後全生存期間の解析においては,4群(0因子,1因子,2因子,3因子)間において,それぞれ有意な全生存期間の差を認めた.
【考察】術前の血清CA19-9値に術前CRP値,腫瘍径の2因子を加えた3因子を用いることで,より明確な術後1年以内の早期再発および予後予測が可能であり,膵癌に対する術前治療等の治療選択における参考の一つとなり得る.

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:バイオマーカー

前へ戻る