演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

浸潤性膵管癌に対する外科切除: 膵切除469例の予後因子解析

演題番号 : WS76-1

[筆頭演者]
高橋 進一郎:1 
[共同演者]
小西 大:1、後藤田 直人:1、杉本 元一:1

1:国立研究開発法人国立がん研究センター東病院・肝胆膵外科

 

【目的】画像診断が進歩した現在の切除可能膵癌、Borderline resectable膵癌、局所進行膵癌、転移性膵がんの頻度を明らかにする。また、浸潤性膵管癌切除例の予後因子を解明するとともに年代による治療成績の変遷を明らかにする。【方法】①浸潤性膵管癌切除可能性診断:2010年1月~2015年4月の期間に当院で初回治療が行われた患者の切除可能性、転移の有無を前向きデータベースから解析した。切除可能性診断はcancer boardにより治療前に決定されデータベースに記録されたものとした。②浸潤性膵管癌切除例の予後因子解析:1992年から2015年の期間に膵切除が行われ浸潤性膵管癌と病理診断された469例を対象として、患者因子、腫瘍因子、治療内容、予後を後ろ向きに検討し予後因子を解析した。【成績】①2010年1月~2015年4月の期間に当院で初回治療が行われた浸潤性膵管癌患者は767例であった。切除可能性による内訳は、切除可能膵癌175例(23%)、Borderline resectable膵癌 19例(3%)、局所進行膵癌 136例(18%)、転移性膵癌 437例(57%)であり、切除の対象となる患者は全体の1/4であった。②浸潤性膵管癌切除469例に対し、R0切除が398例(85%)、R1切除が69例(15%)、R2切除2例(0.4%)が行われた。多変量解析の結果、予後不良因子は遠隔転移(HR=2.31)、リンパ節転移(HR=1.68)、膵外神経叢浸潤(HR=1.67)、R1/2(HR=1.66)、腫瘍径3cm以上(HR=1.43)、予後良好因子は腫瘍分化度well(HR=0.68)、術後補助療法(HR=0.43)であった。CA19-9はcut off値を38, 50, 100, 200, 300, 400, 500, 1000, 2000U/mlに設けたが予後と有意な相関を認めなかった。後期(04-15)に切除された364例は前期(92-03)105例と比較し有意に予後良好(MST:25.1M vs 13.7M、5生率:24.6% vs 6.7%)であり補助療法や手術手技の向上が寄与したと考えられた。【結語】画像診断の進歩した現在にあっても切除対象は全体の1/4と少なく早期発見による切除率の改善が必要である。補助療法は切除例の強い予後良好因子でありさらなる施行割合の向上が望まれる。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:手術療法

前へ戻る