演題抄録

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開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

分子標的治療薬併用化学療法先行で治療した局所進行大腸癌3例の経験

演題番号 : WS52-6

[筆頭演者]
深澤 貴子:1 
[共同演者]
宇野 彰晋:1、飯野 一郎太:1、鈴木 淳司:1、神藤 修:1、稲葉 圭介:1、松本 圭五:1、落合 秀人:1、鈴木 昌八:1

1:磐田市立総合病院・消化器外科

 

1本邦における切除可能大腸癌に対する標準治療は,R0切除施行後補助化学療法を検討することであるが,他臓器浸潤を伴う局所進行大腸癌では泌尿器系臓器の合併切除や自然肛門切除に伴う機能喪失を最小限にすることを目的として,化学療法先行で治療を開始することもある.
当院で経験した分子標的治療薬併用化学療法先行で治療した局所進行大腸癌3例について報告する.
症例は男性2例,女性1例.年齢47-74歳.部位は直腸S状部(RS)2例,上部直腸(Ra)1例.浸潤臓器は膀胱2例,精嚢,前立腺1例.いずれも遠隔転移は認めず.腫瘤径は4.5-11cmで,膀胱浸潤の2例は膀胱瘻を形成していた.3例ともに内視鏡通過困難な腸管狭窄を認め,2例に口側腸管人工肛門造設,1例に腸管ステント留置を施行.化学療法レジメンはIRIS+Cetuximab 1例(3コース),mFOLFOX6+Panitumumab 2例(4コース,5コース)施行.治療効果はいずれもPRと評価した.腸管ステント留置した1例はストマ造設を受容しできず原発巣切除施行せず,化学療法継続.精嚢前立腺浸潤例(Ra)は骨盤内蔵全摘術,膀胱浸潤例(RS)は膀胱全摘+肛門温存手術を施行した.最終病期はいずれもypStageIIであった.予後は非切除例で担癌26.3ヶ月生存,切除例ではそれぞれ26.9,44.2ヶ月非担癌生存であり,局所再発は認めていない.
局所進行大腸癌に対し,分子標的治療薬として抗EGFR抗体を併用した化学療法先行で治療を行ったが,3-5コースの治療期間で腫瘍縮小効果は良好であった.当院の切除例では膀胱全摘を行い局所再発は認めていないが,化学療法後の至適切除範囲や手術施行の至適時期については臨床試験による検討が必須である.

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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