演題抄録

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開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

切除不能進行・再発胃癌例における血栓塞栓症の検討

演題番号 : WS29-1

[筆頭演者]
坂井 文:1 
[共同演者]
境 秀樹:1、北村 悟:1、徳山 長裕:1、澤井 寛明:1、三村 卓也:1、櫛田 早絵子:1、津村 英隆:1、坂本 岳史:1、飛松 和俊:1、山本 佳宣:1、三木 生也:1、津田 政広:1、井口 秀人:1

1:兵庫県立がんセンター・消化器内科

 

【背景】近年、化学療法の発展に伴い切除不能進行・再発胃癌に対して血管新生阻害薬が承認された。担癌患者、特に胃癌は血栓塞栓症のリスクが高く、化学療法中の血栓塞栓症の評価は非常に重要であると考えられる。【目的】化学療法を行った切除不能進行・再発胃癌例における血栓塞栓症発生の危険因子を検討し、発生例での臨床経過を明らかにする。【対象・方法】2014年1月から2016年1月まで当院で化学療法を行った切除不能進行・再発胃癌100例のうち、化学療法前に血栓塞栓症を認めた15例を除外した85例から、経過中に血栓塞栓症を認めなかった(Non Thrombus:NT群)70例と認めた(Thrombus:T群)15例の背景を比較し、T群の臨床経過につき後方視的に検討した。【結果】NT群 : T群=年齢中央値66歳(34-79):64歳(41-72)、男性/女性=53/17:7/8 (p=0.032)、PS 0,1/2,3= 61/9:14/1、組織型 分化型/未分化型/その他=23/45/2:2/13 /0、原発巣切除あり/なし=24/46:6/9、転移臓器 1個/2個以上=23/47:6/9、高血圧あり/なし=31/39:3/12、糖尿病あり/なし=14/56:3/12、D-dimer中央値(μg/ml)=1.4(0.5-25.9):1.8(0.8-27.1) であった。血栓が発生した15例の内訳は下肢深部静脈血栓症(DVT)8例、下肢DVT+肺動脈塞栓症(PTE)3例、中心静脈カテーテル関連2例、PTE1例、脳梗塞1例であり、判明した契機はD-dimer上昇7例、評価CT 4例、症状4例であった。血栓判明時、PS 0,1/2:11/ 4、原病増悪あり/なし:5/10、一次化学療法中/二次化学療法中/休薬中 10/4/1例であり、D-dimer中央値は4.7(μg/ml)(1.3-28.7)と上昇していた。14例で抗血栓薬が開始されたが6例(42.9%)で中止され、理由は出血3例、血栓消失2例、肝障害1例であった。【まとめ】切除不能進行・再発胃癌例において、女性で血栓塞栓症の発生が高かった。発症時期は病勢、時期とは関係が見られなかった。D-dimer上昇は発見の契機になる可能性も示唆された。化学療法中の血栓塞栓症がいずれの時期でも起こりうることを念頭に置いて診察に当たることが重要と考えられた。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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