演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

術前化学療法を施行したbasal-HER2タイプ乳癌の化学療法効果の検討

演題番号 : WS22-5

[筆頭演者]
佐藤 睦:1 
[共同演者]
大井 恭代:2、川野 純子:1、寺岡 恵:1、四元 大輔:1、木谷 哲:1、金光 秀一:1、馬場 信一:1、相良 吉昭:1、松山 義人:1、安藤 充嶽:1、相良 吉厚:1、雷 哲明:1、相良 安昭:1

1:社会医療法人博愛会相良病院・乳腺科、2:社会医療法人博愛会相良病院・病理診断科

 

【目的】HER2タイプ乳癌は術前化学療法(NAC)によりpCRを得やすい。しかし化学療法に抵抗性を示す、予後不良なbasal-HER2タイプの乳癌が報告されている。本研究の目的はNACを施行したHER2タイプ乳癌の中からbasal-HER2タイプ乳癌を抽出し、NACの効果を明らかにすることである。【対象と方法】対象は2010年1月から2015年12月に針生検で診断がつき、NACを行ったStageⅠ~ⅢのER/PgR陰性HER2陽性乳癌44例。針生検標本にbasalマーカー(CK14,CK5/6,EGFR)の免疫染色を追加し、いずれかのマーカーの陽性率が10%以上の症例をbasal-HER2タイプ群、それ以外をpure-HER2タイプ群とし、それぞれの化学療法効果(pCR率等)をChi-square testとlogistic regression modelにて評価した。pCRの定義はypT0/Tis, ypN0とした。
【結果】HER2タイプ乳癌のうちpure-HER2タイプ群が25例(57%)、basal-HER2タイプ群が19例(43%)であった。両群間で年齢、NAC前Stage、CNB標本の核異型度、NACのレジメンに関しては有意差を認めなかった。pCR率はpuer-HER2タイプ群で64%(16/25例)、basal-HER2タイプ群で21%(4/19例)であり、basal-HER2タイプ群で有意に低かった(オッズ比0.25, 95%CI:0.07-0.92, p=0.03)。pCRに対するNAC前Stageで調整した多変量解析においてもbasal-HER2タイプ群は独立した予測因子であった(オッズ比0.16, 95%CI:0.03-0.67, p=0.01)また、pure-HER2タイプ群ではNAC中のPD症例はなかったが、basal-HER2タイプ群では19例のうち4例(21%)のPD症例がみられ、そのうち2例には根治手術が行えなかった。それぞれのbasalマーカーの陽性率はCK14 5%、CK5/6 16%、EGFR 41%であり、basal-HER2タイプ群でのそれぞれの陽性率はCK14 11%、CK5/6 37%、EGFR 95%であった。【結語】術前化学療法においてbasal-HER2タイプ乳癌は、pure-HER2タイプ乳癌と比較し有意にpCR率が低く、PD症例を多く認めた。今後、basal-HER2タイプ乳癌に対する最適な薬物療法のレジメンを検討する必要がある。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

前へ戻る