演題抄録

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開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

乳癌リンパ節1-3個転移例の術後TC療法4クールとFEC→DOC各3クール療法の比較検討

演題番号 : WS22-4

[筆頭演者]
増岡 秀次:1 
[共同演者]
三神 俊彦:1、下川原 出:1、浅石 和昭:1、森 満:2

1:医療法人社団札幌ことに乳腺クリニック・外科、2:札幌医科大学・医学部・公衆衛生

 

【はじめに】NSABP B-36において、リンパ節転移陰性T1-T3乳癌の術後補助化学療法において、FEC100 6サイクルとAC 4サイクルの間にDFS, OSに有意差が認められなかった。US Oncology 9735では術後「TC療法がAC療法より有意に優れていた」と報告をしている。リンパ節転移陰性例においては、TC4クールは、FEC100 6クールに劣らないと考えられる。また2015 San Antonio Breast Cancer Symposiumにおいて、韓国からNeo-Shorter第III層試験の結果が報告された。リンパ節転移陽性乳癌に対して、術前化学療法でFEC3サイクル→DOC3サイクルがAC4サイクル→DOC4サイクルと比較して治療効果が劣らないことを報告した。フランスではPACS01試験の結果からFEC3サイクル→DOC3サイクルが標準化学療法の一つとなっている。
【目的】化学療法には毒性があり、特に脱毛、好中球減少性発熱、口腔粘膜炎、浮腫、末梢神経障害はQOLを低下させる。毒性は少ない方が良い。サイクル数が少ない方が毒性の継続も軽減されると示唆される。リンパ節転移陽性例(n1-3)の術後化学療法TC療法4クールとFEC→DOC療法の効果を比較検討した。
【対象と方法】TC療法はTXT(DOC)を75mg/m2、CPAを600 mg/m2、3週毎4クールを標準とし、FEC→DOC療法は、FEC100を3 or 4クール、その後DOC 75mg/m2を標準とし3 or 4クール施行した。TC療法100例、FEC→DOC療法24例(3クール:19例、4クール:5例)を解析の対象とした。年齢は30歳から81歳まで、平均53.5歳、平均観察期間は4.1年である。生存率はKaplan-Meier法を用い、検定はLogrank (Mantel-Cox)を用いた。
【結果および考察】HER2陽性例は両群ともTrastuzumabを1年間併用している。結果はDFS,OSともに同等であった(p=0.5141, p=n.s.)。TC療法4クールとFEC→DOC療法は同等と示唆される。両治療法とも好中球減少性発熱が出現した症例では次回よりPegfilgrastim (G-LASTA)を使用し、延期することなく治療継続が可能であった。アンスラサイクリン系薬剤には、血液毒性、悪心・嘔吐、脱毛以外に、心筋障害による心毒性を引き起こすことがある。
TC療法は口内炎、浮腫、しびれの他に皮膚障害は重要な問題である。皮膚障害の発現機序にはdocetaxelの代謝にかかわるCYP3A4にCPAやH2blockerが関与している可能性がある。プレメディケーションにおける使用薬剤への留意も重要である。顔面紅班などの皮膚障害の発現には配慮する必要がある。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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