演題抄録

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開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

当院での原発性乳癌に対する術前化学療法後pCR例の予後予測因子の検討

演題番号 : WS22-3

[筆頭演者]
藤原 みわ:1 
[共同演者]
金 敬徳:1、吉村 友里:1、梶原 友紀子:1、伊藤 充矢:1、大谷 彰一郎:1

1:広島市立広島市民病院・乳腺外科

 

【緒言】NAC症例における予後予測因子としてpCRが知られてきたが,近年pCRは長期予後との相関がみられないともいわれている.pCR例でも短期間内での再発・死亡例が存在し,pCR例の予後予測因子に対する疑問が生じた.
【対象と方法】
当院での原発性乳癌に対するNAC 451例 (2007~2015年) のうちpCR例 ( n=118 )を対象とし,無再発生存期間 (DFI) をもとに単変量解析を行い,予後予測因子を検討した.pCRは"原発巣で浸潤癌が消失したものとしDCISやリンパ節転移有無は問わない"とした.
【結果】
観察期間中央値は43ヶ月,年齢中央値は56歳だった.Subtype別pCR率は⓪全体: 26.2% (118/451),①Luminal A: 0% (0/82),②Luminal B HER2(-): 10.9% (14/128),③Luminal B HER2(+): 43.1% (31/71),④HER2: 59.4% (38/64),⑤TN: 34% (36/106)だった.全SubtypeにおいてpCR・non-pCR間でDFIに有意差は認めなかった.再発は13例(11%),内訳は②1例(7.1%) , ③4例(13.3%) , ④3例(7.9%) , ⑤5例(13.9%) だった.24ヶ月以内の再発は10例(76.9%)であり,TNで4例だった.再発初発部位はリンパ節6例,温存乳房内4例,肝1例,脳2例であり,脳転移2例はともにHER2 typeだった.全体の5年DFI・OSは各々86.2%・90.5%だった.Subtype間でDFI・OSに有意差はなかったが,OSはTNで短い傾向だった.pCR例の予後予測因子は⓪年齢・clinical lymph node status (cN)・病期・術式・ypN (NAC後 pathological lymph node status),②NAC後MIB-1減少,③cT・cN・病期・術式,④ypN,⑤年齢・cN・病期・術式だった.
【考察】
当院の症例においてpCRは全Subtypeで予後予測因子とは言えず,その一因として観察期間長期化に伴うpCR例の再発が考えられる.本検討の主題であるpCR例 の予後予測因子としては,腫瘍径・リンパ節転移・病期などが複数論文で報告されているが,当院での結果は年齢・リンパ節転移( cN・ypN )・病期・術式だった.またNAC症例において予後予測因子との相関が示唆されているMIB-1値は,pCR例においては予後予測因子とならない可能性が考えられた.本検討ではSubtype別に予測因子を解析したが,pCRにおける再発例が少なくイベント数が少ないことが限界であり,さらなる長期的な観察が望まれる.
【結語】
当院におけるpCR例の予後予測因子として年齢・リンパ節転移( cN・ypN )・病期・術式が関与することが示唆された.

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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