演題抄録

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開催回
第54回・2016年・横浜
 

術前化学療法においてサブタイプ別タキサン系薬剤の使い分けは必要か?

演題番号 : WS22-2

[筆頭演者]
高尾 信太郎:1 
[共同演者]
広利 浩一:1、三木 万由子:1、松尾 容子:1、松本 光史:2、尾上 琢磨:2、佐久間 淑子:3、橋本 知久:4

1:兵庫県立がんセンター・乳腺外科、2:兵庫県立がんセンター・腫瘍内科、3:兵庫県立がんセンター・病理診断部、4:兵庫県立がんセンター・放射線診断部

 

【はじめに】術前化学療法においてアンスラサイクリン系薬剤とタキサン系薬剤の逐次療法を行う際、タキサン系薬剤の使用に際しては、サブタイプ別にパクリタキセルとドセタキセルを使い分ける明確なエビデンスがない。
【目的】術前化学療法においてサブタイプ別タキサン系薬剤の使い分けが必要かを検証する。
【対象と方法】対象は当科において2009年9月から2015年9月の間に術前化学療法を受けた、T1-3N0-3症例213例。アンスラサイクリン系薬剤はFEC100/3週毎x4、パクリタキセル(P)80mg/m2/週x12、ドセタキセル(D)75mg/m2/3週毎x4。HER2陽性例には、タキサンにトラスツズマブ(H)を同時併用した。サブタイプは、ER≧10%かつPgR≧10%、HER2陰性をLuminalA(L-A), ER≧10%かつPgR<10%、HER2陰性をLuminalB(L-B)、ER<10%かつPgR<10%、HER2陰性をTriple negative(TN), ER<10%かつPgR<10%、HER2陽性をHER2rich, ER≧10%かつHER2陽性をLuminalHER2(L-HER2)とした。後方視的に、サブタイプ別の各レジメの臨床的効果(奏効率(RR))、組織学的効果(pCR率(pCR))を比較検討した。
【結果】1)L-Aでは、RRはD82.4%、P85.1%、pCRは、D2.9%、P8.5%、有意差なし
2)L-Bでは、RRはD88.2%、P80.0%、pCRは、D23.5%、P20.0%、有意差なし
3)TNでは、RRはD76.2%、P87.0%、pCRは、D23.8%、P52.2% (p = 0.054),pCRでPが有効な傾向を示す。
4)HER2richでは、RRはHD100%、HP96.9%、pCRは、HD75%、HP71.9%. 有意差なし
5)L-HER2では、RRはHD100%、HP81.8%、pCRは、HD66.7%、HP31.8%. 有意差なし
【考察】1)Luminalタイプ、 HER2タイプでは、DとPは同様の有効性を示した。L-Aでは、 RRは他のサブタイプと遜色ないものの、いずれもpCRが10%未満であり、このレジメを使用したNACの適応を考える必要がある。
2)TNタイプにはPがより有効である傾向が見られ、今後のタキサンの使い分けを示唆する結果であった。
発表では、dose intensity、副作用を考慮した結果を含め検討する。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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