演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

nab-PTXを用いた術前化学療法の有用性と安全性の検討

演題番号 : WS22-1

[筆頭演者]
康 裕紀子:1 
[共同演者]
露木 茂:1、仙田 典子:1

1:日本赤十字社大阪赤十字病院・乳腺外科

 

【はじめに】
乳癌の術前化学療法(NAC)のTaxane系製剤はPaclitaxel(PTX)とDocetaxel(DTX)が標準で使用される.最近GeparSepto試験において、nab-PTXがPTXと比較して病理学的完全奏功(pCR)率が有意に高いと報告された.当院におけるNACとしてのnab-PTXの使用経験を報告する.
【対象・方法】
2013年6月~2015年1月に臨床試験としてNACにnab-PTX(260mg/m2 q3w)followed by FEC(5-FU+Epirubicin+Cyclophosphamide)を施行した原発性乳癌28例を対象に、nab-PTXの効果と有害事象を後ろ向きに検討した.HER2陽性例にはTrastuzumabを併用した.臨床的効果はRECISTで判定、有害事象はCTCAE v4.0に準じて評価した.
【結果】
年齢中央値56.5歳[35-73歳].NAC前cStage I/II/IIIは1例/23例/4例、サブタイプはLuminal B 5例、Luminal B-HER2 10例、HER2 type 7例、Triple Negative 6例.nab-PTX後の臨床的効果判定cCR/cPR/cSDはそれぞれ7例/11例/10例で、特にHER2 type 7例においてははcCR/cPRが3例/4例であり全例が奏効を示した.全例に手術施行し組織学的効果判定はpCR(ypT0/is ypN0)9例(32.1%)で、サブタイプ別ではLuminal B 0%(0/5)、Luminal B-HER2 20%(2/10)、HER2 type 86%(6/7)、Triple Negative 17%(1/6)で、HER2 typeで良好な結果であった.pCR(ypT0 ypN0)は5例であった.nab-PTXの有害事象は、好中球減少G3/4は5例/3例で発熱性好中球減少症は認めなかった.感覚性末梢神経障害 G2/3は11例/1例に認め、G3の1例では薬剤減量を要した.関節痛は全例にNSAIDsの予防的投与を行ったがG2を13例に認めた.その他、皮疹 G2/3が2例/2例、浮腫 G2が1例であった.皮疹1例と因果関係不明の肝障害1例で投与延期が必要であった.
【まとめ】
NACとしてのnab-PTX±Trastuzumab followed by FECはHER2 type例で非常に良好な結果が得られた.nab-PTXはGrade3以上の有害事象が少なくマネージメントしやすい薬剤であった.

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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