演題抄録

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開催回
第54回・2016年・横浜
 

乳癌患者の頭蓋内硬膜転移症例の臨床像

演題番号 : WS14-6

[筆頭演者]
高橋 英明:1 
[共同演者]
五十川 瑞穂:1

1:新潟県立がんセンター新潟病院・脳神経外科

 

(目的)乳癌における頭蓋内硬膜転移は頭蓋骨転移からの直接浸潤および血行転移によるとされ、しばしば診断が不確実であり、かつ予後不良な疾患である。当院における乳癌からの頭蓋内硬膜転移症例の臨床像について検討した。
(対象)2006年から2016年まで、当院にて加療した乳癌による頭蓋内硬膜転移症例49例を対象とした。男性0例女性49例である。年齢は32-79歳(平均59歳)であった。頭蓋内硬膜転移は、画像所見によりび漫性硬膜肥厚所見を呈するび漫性タイプ(び漫型14例)と限局性硬膜肥厚を呈する限局タイプに分類し、限局タイプは更に円蓋タイプ(以下円蓋型16例)と大脳鎌•小脳テントタイプ(以下テント型19例)に分けられた。36例の神経症状および各病型の生存期間を検討した。
(結果)び漫型の症候は、脳神経症状10例、構語障害2例、無症候2例であり、脳神経症状が特徴的であった。円蓋型では巣症状10例、無症候5例、痙攣1例で、浮腫による神経巣症状が目立った。テント型では小脳失調は5例、巣症状2例で、無症候や頭痛などが12例と多く認められた。治療ではび漫型においては2例の定位放射線治療以外は全脳照射が選択されており、円蓋型では手術5例を含んで、先に定位放射線が選択されていた。テント型では大脳鎌の限局型に対する定位放射線3例以外は全脳照射が行われていた。1例ではハーセプチンにより一次寛解が得られた例もあった。予後では、中間生存期間でみると、び漫型14ヶ月、円蓋型12ヶ月、テント型22ヶ月であった。
(結語)頭蓋内硬膜転移症例は乳癌に多く認められるが、脳実質転移や癌性髄膜炎ほど診断がなされていない。無症候のものや軽症の脳神経麻痺のことがあり、診断に注意が必要である。また、び漫型やテント型では全脳照射による治療のタイミングが重要である。手術のみで再発する例もあり、照射併用のタイミングは重要である。硬膜は抗がん剤の移行も良く、放射線との治療選択も問題となる。

キーワード

臓器別:脳神経

手法別:診断

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