演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

神経内分泌腫瘍に対してオクトレオチドLARを使用した3 例

演題番号 : WS13-6

[筆頭演者]
寺本 彰:1 
[共同演者]
仲村 将泉:1、勝田 充重:1、仲松 元二郞:1、清水 佐知子:1、普久原 朝史:1、木村 典世:1、近藤 章之:1、松川 しのぶ:1、高木 亮:1、小橋川 嘉泉:1、仲吉 朝邦:1、金城 福則:1

1:社会医療法人仁愛会浦添総合病院・消化器病センター・内科

 

【背景】オクトレオチドLARは機能性神経内分泌腫瘍(NET)のホルモン過剰症状に対する治療に加え、腫瘍増殖抑制効果も証明されており、内科的治療で重要な役割を担っている。当院でオクトレオチドLARによる治療を行った膵神経内分泌腫瘍(P-NET)2例および消化管神経内分泌腫瘍(G-NET)1例に関する治療成績を報告する。【方法】2006年6月~2014年7月の期間に当院を受診し神経内分泌腫瘍と病理学的に診断され、オクトレオチドによる治療を行った3例についてretrospectiveに検討した。【症例1】74歳男性、胃原発のG-NET(G3)、十二指腸、膵浸潤を認め、通過障害に対して幽門側胃切除を行った。術前後でCDDP+CPT-11を7コース、CDDP+VP-16を1コース投与したが、CDDPによる急性腎障害を認め、血清クレアニチン値>3.0mg/dlで推移していた。腎不全の改善がないまま8ヶ月が経過したが徐々にリンパ節転移が増大し、グルカゴン過剰産生が確認されたためオクトレオチドLARを開始したが副作用は認めなかった。ただし、4コース終了時点ではPDと評価された。【症例2】33歳男性、膵原発のP-NET(G3)にて膵体尾部切除術を行ったが術後2ヶ月で多発肝転移が出現。CDDP+CPT-11、CDDP+VP16 を投与するもいずれもPDであった。ガストリン過剰産生が確認されたためエベロリムス+オクトレオチドLARによる治療を2コース行ったが軽度の間質性肺炎が出現した。エベロリムス休薬の上でオクトレオチドLARを再開したが副作用は認めず治療継続可能であった。治療効果はPDであり、化学療法開始から9ヶ月で原病死した。【症例3】54歳女性、膵原発のP-NET(G2)を認め、膵体尾部切除術を行うも2ヶ月後に多発肝転移で再発。ガストリン過剰産生に伴う難治性十二指腸潰瘍が多発していた。CDDP+VP16、TACEを併用するもPDであったためエベロリムス投与を12ヶ月継続した。しかし、下痢、嘔吐のため治療終了となり、オクトレオチドLAR+スニチニブによる治療を6ヶ月継続し、副作用なく経過した。投薬中は血清ガストリン値の一時的な改善および十二指腸改善を認めた。化学療法開始から52ヶ月に原病死された。【考察】オクトレオチドは機能性NETに対する症状コントロール目的あるいは、高齢者、腎不全、他剤の副作用が問題となる症例などで安全に導入できる。一方でNET G2,G3では抗腫瘍効果は限られており、機能性NETや他の治療選択肢がない場合に限定することが望ましいと考えられた。

キーワード

臓器別:NET(神経内分泌腫瘍)

手法別:内分泌・ホルモン療法

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