演題抄録

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開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

当科における高齢者胃癌術後補助化学療法の実施状況と高齢者総合機能評価(CGA)

演題番号 : WS101-6

[筆頭演者]
古川 陽菜:1 
[共同演者]
黒川 幸典:1、宮崎 安弘:1、牧野 知紀:1、高橋 剛:1、山崎 誠:1、中島 清一:1、瀧口 修司:1、森 正樹:1、土岐 祐一郎:1

1:大阪大学・大学院医学系研究科・消化器外科

 

【はじめに】胃癌の術後補助化学療法はACTS-GC試験結果に基づき,pStage II/III症例に対してTS-1の1年間投与が標準治療となっているが,高齢者における術後補助化学療法の有効性と安全性は確立していない.今回,当科における高齢者胃癌術後補助化学療法の実施状況を調べ、高齢者総合機能評価(CGA: comprehensive geriatric assessment)の結果が担当医による適応判断や化学療法の継続性に影響を及ぼすかどうかについて検討した.
【対象と方法】当院で2010年1月から2015年3月の期間に胃癌の診断で根治切除を受けた病理学的Stage II/III(pT3N0を除く)の75歳以上の患者28例を対象とした.術前に当院老年高血圧内科を受診しCGAを施行した.CGAの評価項目はBartel Index(BI:基本的ADL),Vitality Index(VI:意欲),IADL(Instrumental ADL:手段的ADL),GDS(Geriatric Depression Score:うつ状態),Apathy scale(AS:やる気スコア),MMSE(Mini-Mental State Examination:認知機能)の6項目を評価し,担当医による術後補助化学療法の適応判断や継続性との関連について検討した.
【結果】28例中19例(68%)に,担当医によるInformed consentでTS-1の術後補助化学療法が勧められ(S-1適応群),9例(32%)は医師により術後補助化学療法適応外と判断された(非適応群).S-1適応群:非適応群で,年齢中央値=79(75-90):83(77-89)歳 (p=0.093),男/女=15/4:5/4人(p=0.372),ASA-PS1/2/3=3/15/1:1/6/2 (p=0.395),術式はTG/TG以外=4/15:3/6 (p=0.647),pStageII/III=3/16:5/4 (p=0.068)であった.非適応群ではS-1適応群と比較して,CGA6項目中,BI・IADLのスコアが有意に悪く,VI・AS・MMSEのスコアも悪い傾向にあった.S-1適応群のうち7例は患者希望により術後化学療法は施行されず,12例にTS-1が投与された.投与後1年以内の再発によって内服中止した3例を除く9例のうち、2例(22%)が有害事象(腎機能障害),2例(22%)がその他の理由により内服が中止されており、1年継続が完遂できたのは5例(56%)であった.1年継続完遂の有無とCGAのスコアには明らかな関連性を認めなかった.
【結語】当科においては、75歳以上のpStage II/III症例の68%が術後補助化学療法の適応と判断され、投与開始されたうちの56%が1年継続完遂できた.CGA評価は,担当医における術後補助化学療法の適応判断に関連性を認めたが,継続性とは関連性を認めなかった.

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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