演題抄録

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開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

補中益気湯による胃癌術後補助療法の完遂向上を目指したランダム化第Ⅱ相試験: KUGC07

演題番号 : WS101-5

[筆頭演者]
岡部 寛:1,2,15 
[共同演者]
金城 洋介:2,15、小濱 和貴:2,12,15、細木 久裕:2,3,15、畑 啓昭:4,15、浅生 義人:5,15、原田 英樹:6,15、間中 大:8,15、伊丹 淳:7,15、三木 明:9,15、上田 修吾:10,15、田中 満:11,15、井上 直也:13,15、手良向 聡:14,15、坂井 義治:2,15

1:大津市民病院・外科、2:京都大学・大学院医学研究科・消化管外科、3:日本赤十字社大阪赤十字病院・外科、4:独立行政法人国立病院機構京都医療センター・外科、5:公益財団法人天理よろづ相談所病院・腹部一般外科、6:滋賀県立成人病センター・外科、7:一般財団法人神戸市地域医療振興財団西神戸医療センター・外科、8:社会福祉法人京都社会事業財団京都桂病院・外科、9:地方独立行政法人神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院・外科、10:公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院・外科、11:国家公務員共済組合連合会枚方公済病院・外科、12:地方独立行政法人京都市立病院機構京都市立病院、13:関西電力病院・外科、14:京都府立医科大学・大学院医学研究科・生物統計学、15:京都大学外科腫瘍学グループ

 

【背景】本邦ではランダム化比較試験(ACTS-GC試験)の結果に基づき、D2郭清を伴う胃切除により治癒切除された病理学的II/III期の進行胃癌に対して、術後1年間のS-1補助化学療法が標準とされている。同試験において、S-1群は手術単独群に比較して、5年全生存率で61.1%から71.7%と10%強の有意な生存期間の延長を認めたが、1年治療完遂率は66%と低く、副作用による脱落中止が多いことが課題とされている。
【目的】抗癌剤の副作用軽減効果が報告されている補中益気湯を服用することにより、有害事象が軽減し、治療完遂率が向上する可能性を探索することを目的として、多施設ランダム化対照第II相臨床試験を行ったので早期結果につき報告する。
【方法】試験デザイン: ランダム化第II相試験。試験治療群(TJ群)、コントロール群(C群)共にS-1 80-120mg/bodyを4週投与2週休薬で試験治療開始から1年間継続。TJ群では加えて補中益気湯7.5g/dayを連日服用。適格規準:1)胃癌に対する根治的手術を受けた症例(R0症例)で総合所見進行度がT3(SS)N0、T1を除く、Stage II, III。2)20歳以上80歳以下。3)術後8週以内にS-1および補中益気湯の投与が可能。4)主要臓器機能が保持されている。除外規準:1)重複癌。2)臨床病期IV期に対する術前治療症例。主要エンドポイント:S-1補助化学療法の1年完遂率。副次的エンドポイント:有害事象、無再発生存期間、全生存期間、Dose-intensity。症例数:TJ群の完遂率80%、C群の完遂率65%、片側α0.2、検出力80%から目標症例数110例(各群55例)。
【結果】2年5か月で25施設から113例登録、うち110例(各群55例)が適格。治療完遂率はTJ群54.5%、C群50.9% (P=0.35)、Relative dose intensityはTJ群67.7%、C群62.1%、Grade3以上の有害事象TJ群45.5%、C群54.5%とそれぞれTJ群で良好な傾向がみられたが有意差を認めなかった。
【結論】補中益気湯併用によるS-1補助化学療法完遂率の有意な向上は認められなかった。
【考察】S1による補助化学療法の1年完遂率は低く、進行度II、III期胃癌の予後向上のためには、栄養補助など他の手段による完遂率向上や、忍容性の高い他レジメンの採用などのさらなる取り組みが必要と考える。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:臨床試験

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