演題抄録

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開催回
第54回・2016年・横浜
 

胃癌術後補助化学療法の検討

演題番号 : WS101-1

[筆頭演者]
森野 甲子郎:1 
[共同演者]
原口 久義:2、赤神 正敏:1、中右 雅之:1、池田 房夫:1、沖野 孝:1、井田 健:1

1:公立甲賀病院・外科、2:公立甲賀病院・薬剤部

 

本邦における胃癌術後補助化学療法はACTS-GC試験から胃癌ガイドラインでS-1の一年間の内服が推奨されている。また、CLASSIC試験の結果を受け、術後補助化学療法として半年間のXELOX療法が保険収載され、現在両者の選択において議論の余地があると思われる。

そこで両臨床試験の解析に加え、当院で根治手術を受けた胃癌患者の術後成績を踏まえて、最適な胃癌術後補助化学療法の検討を行った。

ACTS-GC試験及びCLASSIC試験のサブグループ解析を比較したところ、S-1内服ではStageⅢ及びN2以上の胃癌においては満足できる結果が得られておらず、XELOX療法の方が推奨できるのではないかと考えられた。ただし両試験においては、取り扱い規約が異なり、また現在の本邦における規約とも異なるため単純比較、反映は困難であることが問題点として挙げられる。

更に当院で2007年から2015年までの期間で根治手術を施行したStageⅡ/Ⅲ胃癌で術後補助化学療法としてS-1を内服した症例32例の術後成績を元に妥当性を検討した。

患者背景は平均年齢が66.5歳、男性24例、女性8例、胃癌取扱い規約14版のStageⅡが17例、StageⅢが15例で、術式は幽門側胃切除が15例、胃全摘(残胃含む)が17例であった。そのうち、再発が認められたのは13例(40.6%)で、再発形式は腹膜播種が5例、リンパ節転移が5例、肝転移が2例、腫瘍マーカー上昇が1例で、再発までの期間は中央値が9か月(3-33)であり、13例のうち、11例は術後1年以内の再発で、更に6例は術後半年以内の再発であった。

仮説を立てたStageⅢ且つN2以上のグループは12例あり、再発を認めたのは8例(66.6%)で、それ以外のStageⅡ若しくはN1以下の症例で再発例は20例中5例(25%)であった。当院での検討においても、StageⅢ且つN2以上の症例に対して現行の治療では課題が残る治療と思われ、一方、それ以外に関しては臨床試験の成績と比較しても遜色ない結果と考えられた。

また、術後補助化学療法が半年間であることの妥当性については評価が困難であるが、再発症例の約半数が術後半年間以内での再発であるということから、議論すべきは投与期間ではなく投与内容の是正ではないかと考えた。
以上の検討から、胃癌術後補助化学療法において、N2以上のStageⅢ胃癌に対してはXELOX療法を行い、それ以外の症例に関してはS-1の1年間の内服を当院の治療方針とした。今後症例を集積し長期成績をもって、報告する予定である。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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