演題抄録

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開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

外陰部悪性黒色腫に対する炭素イオン線治療の治療成績

演題番号 : WS100-6

[筆頭演者]
小林 大二郎:1,2 
[共同演者]
小此木 範之:1、若月 優:3、柴 慎太郎:1,2、清原 浩樹:2、加藤 真吾:4、唐澤 久美子:5、中野 隆史:2、鎌田 正:1、生水 真紀夫:6

1:放射線医学総合研究所病院、2:群馬大学・大学院・腫瘍放射線学講座、3:自治医科大学・放射線医学講座、4:埼玉医科大学・国際医療センタ-・放射線腫瘍科、5:東京女子医科大学・放射線腫瘍学講座、6:千葉大学・大学院・生殖医学講座

 

【目的】婦人科領域悪性黒色腫の標準治療は手術とされる。しかしながら、広汎な粘膜浸潤や周囲臓器への浸潤を認める症例では、骨盤内臓全摘などの侵襲の大きい手術を必要とする症例も多く、手術に伴う合併症や後遺症の発生率も高い。さらに高齢者に多い疾患であり、悪性黒色腫自体は放射線抵抗性であることから、治療方針に難渋することが多い。これらの背景から当院では婦人科領域悪性黒色腫に対する炭素イオン線治療を2004年から行っている。今回、外陰部悪性黒色腫に対する炭素イオン線治療の成績を報告する。
【方法】対象は2007年12月から2015年7月に当院で炭素イオン線治療が行われた手術不適応または拒否の外陰部悪性黒色腫患者、全14例。年齢中央値は70歳(61-88歳)、UICCによる臨床病期はII期5例、III期1例、IV期6例、術後再発2例であった。全例、総線量57.6 Gy (RBE)/16回で治療が行われた。照射範囲は、前半は原発巣および内・外腸骨、閉鎖、鼠径リンパ節領域とし、後半は原発巣に限局して治療が行われた。術後補助化学療法が3例で施行されていた。急性期有害事象はCTCAEで評価し、晩期有害事象はRTOG/EORTCで評価した。
【結果】全例で治療が完遂されていた。炭素イオン線治療後の観察期間の中央値は24か月 (5-66か月)で、2年全生存率、局所制御率、無再発生存率はそれぞれ60%、100%、50%であった。初回再発形式は局所再発3例、リンパ節再発2例、遠隔転移5例であった。局所再発が認められた3例はいずれも治療後2年以降(24か月、35か月、62か月)に再発していたのに対し、遠隔転移が認められた5例中4例は、治療後2年以内(3か月、5か月、7か月、14か月)に転移が認められた。急性期有害事象としてGrade 3の 皮膚炎・粘膜線が2例、Grade 3の下痢が1例で認められた。晩期有害事象として、Grade 2の膀胱尿路障害(血尿)が2例で認められたが、Grade 3以上の重篤な有害事象は認められなかった。
【結語】外陰部悪性黒色腫に対する炭素イオン線治療は安全に施行され、初期治療効果は良好であった。長期の効果や安全性を評価するには時期尚早であるが、手術不適応の外陰部悪性黒色腫対する炭素イオン線治療は、有効な選択肢になりえると考えられた。一方で、治療後2年以内に転移再発をきたす症例が多く、炭素イオン線との併用療法や、治療後補助療法について検討が必要と考えられた。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:放射線治療

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