演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

「認定がん医療ネットワークナビゲーター制度」によるがん医療情報提供の実践

演題番号 : S3-5

[筆頭演者]
片渕 秀隆:1 
[共同演者]
相羽 惠介:1、桑野 博行:1、調 憲:1、冨田 尚裕:1、佐々木 治一郎:1、加藤 雅志:1、吉田 稔:1、境 健爾:1、浅尾 高行:1、佐野 智美:1、竹山 由子:1、藤 也寸志:1、西山 正彦:1、北川 雄光:1

1:日本癌治療学会がん診療連携・認定ネットワークナビゲーター委員会

 

日本におけるがん患者の困窮の3大要因は、医療情報の不足、高額医療費の支払い、精神的な寄り添いの不足に集約される。現在、がん診療連携拠点病院では、がん相談支援センターに所属するがん相談員が相談支援業務を担っているが、がん診療連携と医療情報提供のシステムのさらなる強化が今後の重要な課題である。本学会では、平成26 年度から3カ年にわたる厚生労働科学研究費補助金(研究代表者:西山正彦)の支援の下、「がん医療ネットワークナビゲーター(がんナビゲーター)」の育成に着手した。この制度において、知識習得のための研修セミナー(Aセッション)とe-ラーニング、コミュニケーション・スキルセミナー(Bセッション)、がん診療施設での実地研修の3つを教育プログラムの柱とし、規則・細則を制定した。e-ラーニングシステムでは、厚生労働省委託事業であった「がん医療を専門とする医師の学習プログラムe-ラーニング」を本学会が引き継ぎ、コンテンツ(18共通科目、16専門科目)の収録・監修とアップロードを行った。さらに、コミュニケーション・スキル研修と実地研修の要綱とマニュアルを作成し、熊本、福岡、群馬の3県をモデル地域として、認定研修施設と指導責任者を認定した。この過程では、本委員会内に設置した「がんナビゲーター制度検討ワーキンググループ(委員長:相羽惠介)」と「がんナビゲータースクーリングワーキンググループ(委員長:佐々木治一郎)」が中核となった。これまで、3県を中心に、Aセッション、e-ラーニング、Bセッションの受講者総数はそれぞれ、774名、140名、80名で、認定研修施設数は40である。現時点での14名の応募者の実地研修が開始され、今夏には第1期のがんナビゲーターが認定される運びである。本制度では、がんナビゲーターはがん情報の提供のみに特化した人材で、医療実務には係わらない在野のがん相談支援員であることを原則としている。すなわち、がんナビゲーターは必ずしも医療者の資格を要せず、ピアサポーターや福祉・介護職などを含め、その地域のがん診療ネットワークに属している人たちが有資格者となる。さらに、最終的ながんナビゲーターの人数は、がん治療認定医と同じ2万人を目標としている。この基本理念と実際のがんナビゲーターの誕生を受けて、「がんナビゲーター検証ワーキンググループ(委員長:冨田尚裕)」の下で、本制度の検証を今後行う予定である。

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