演題抄録

がん診療ガイドライン統括・連絡委員会主催 シンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

GIST診療ガイドラインの利用状況

演題番号 : S23-10

[筆頭演者]
廣田 誠一:1 
[共同演者]
神田 達夫:2、西田 俊朗:3

1:兵庫医科大学・病院病理部、2:三条総合病院、3:国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院

 

GIST診療ガイドラインの第1版は2008年3月に発行された。2002年に米国で、2003年に本邦でGISTに対する分子標的薬のイマチニブが承認されてGIST診療が劇的に変化するなか、2004年に米国のNational Comprehensive Cancer Network (NCCN) のGISTに対するclinical practice guideline、および欧州のEuropean Society of Medical Oncology (ESMO) のコンセンサスカンファレンスのreportという2つの治療指針が相次いで発表されたが、我が国における実地臨床にそぐわない面があるとして、日本の実地臨床に即した独自の方向性を示すことを目的として作成されたものである。そして、第1版の発行後の2008年6月にイマチニブ耐性GISTに対しスニチニブが承認されたことを受け、2008年9月に第2版が発行されることになった。さらに、2009年に1年間のイマチニブ術後補助療法による無再発生存率の改善が報告されたことにより、2010年11月には第2版の補訂版が発行された。そして、2012年にイマチニブ術後補助療法の比較で1年に比し3年での全生存率の改善が報告され、引き続いて2013年にイマチニブ・スニチニブ抵抗性GISTに対しレゴラフェニブが承認されたことを受け、2014年3月には第3版が発行となった。GIST診療ガイドラインは3年を目途に改訂を考慮することとしていたが補訂版を除けば、ちょうど6年の間で2回の改訂版を発行しており、予定通りに推移している。今後も新たなエビデンスに基づいて、必要に応じた改訂を行っていく予定である。
GISTは人口100万人当たり年間10-20人の発症であり、稀少疾患に属する。医師一人あたりの診療GIST患者数は限られており、経験が不十分ななかでは診療ガイドラインに沿った適切な診療がより重要になるものと思われる。ガイドラインの利用状況やその効果、ガイドラインの普及による診療動向への影響を正確に把握することは必ずしも容易ではないが、各種のアンケート調査から透けて見える現状について報告したい。

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