演題抄録

がん診療ガイドライン統括・連絡委員会主催 シンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

膵癌診療ガイドラインとそのアウトカムの検証

演題番号 : S23-6

[筆頭演者]
海野 倫明:1,2 
[共同演者]
水間 正道:1,2、下瀬川 徹:2,3

1:東北大学・大学院医学系研究科・消化器外科学、2:日本膵臓学会、3:東北大学・大学院医学系研究科・消化器内科学

 

膵癌の罹患数・死亡数は増加の一途をたどっており、本邦癌死亡の第4位に位置している。米国では2030年には死亡数で大腸癌を抜くと予想されており、治療成績向上は喫緊の課題である。1969年に発足した日本膵臓学会(旧:日本膵臓病研究会)は、1980年に膵癌取扱い規約第1版を1980年に創刊し、その後改訂を繰り返し本年7月に最新版として第7版を出版する予定である。日本膵臓学会のもう一つの柱は全国膵癌登録であり、1981年に開始しこれまでの30年間に約45,000件の膵癌の臨床データを集積しその成績を発表してきた1)。さらに2003年には「科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン」の作成に着手し、第1版を2006年に発刊した。その後2009年には第2版が、2013年には第3版が発刊され、現在ガイドライン改訂委員会のもとで第4版となる2016年版が作成され、本学会が開催される2016年10月には発刊される予定である。このように膵癌登録のデータを用いて膵癌診療ガイドラインの作成と改訂に役立ててきた。さらに現在、膵癌登録の悉皆性を向上させるべくNational Clinical Databese (NCD)を用いたデータベースに移行しようとしている。2014年には厚生労働省科学研究費補助金(癌臨床研究事業)として、診療ガイドラインの普及による膵癌診療のQuality indicatorを調査する目的でNCDによるアンケートを施行し、CT/MRIにおける造影剤の使用、高度進行癌の場合に専門施設への照会、推奨レジメンによる化学療法の実施、などを調査した2)。今後、さらなるアウトカム評価として、ガイドライン改訂に伴う年代別の生存率・平均生存期間・切除率・化学療法施行率、などをNCDを用いた全国膵癌登録により評価していく方針である。
1) Egawa S, et al. Pancreas.41(7):985-92,2012
2) 高橋新、ほか、外科 78(3) 285-97, 2016

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