演題抄録

がん診療ガイドライン統括・連絡委員会主催 シンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

乳癌診療ガイドライン―日本乳癌学会の取り組み―

演題番号 : S23-5

[筆頭演者]
中村 清吾:1 

1:昭和大学・医学部・乳腺外科

 

日本乳癌学会では、2004年に薬物療法ガイドラインを刊行以降、外科療法、放射線療法、検診・診断、予防・疫学の5分野のガイドラインを3年毎に発刊してきた。しかし、医療技術や薬物療法の進歩はめざましく、その変化に即応すべく、2013年9月より、全分野を統合したWEB版ガイドラインを作成し、改定間隔も2年に1回とした、さらに、隔年で、患者向けの教育・啓発を目的とした患者向けガイドラインも、書籍に加えWEB版も利用可能とした。WEB化を図ることで、各CQ(Clinical Question)に対するアクセス頻度も把握することが可能となり、改定作業に向けて参考となる。
また、日本乳癌学会では、1975年から乳癌登録事業を開始し、当初は手作業で行っていたが、2004年から電子化を行い、入力および集計業務の効率化を図った。その結果、これまでに、25万件を超える(2013年1月25日)データが収集されている。また、2011年より、学会の認定施設において乳癌登録は必須要件とし、さらに、2013年からは、NCD登録業務の上に搭載され、登録業務の一元管理が実現した。そこで、2013年度は、7万件を超えるデータが入力され、罹患数の約80%が登録されているものと推定される。さらに、乳癌登録データベースの集積が順調に進むにつれ、登録データを用いた臨床研究も活発化しつつある。
そこで、我が国における乳癌の診療状況、治療成績をタイムリに把握し、さらには、診療ガイドラインから抽出したQI(Quality Indicator)を算出することで、施設間格差や地域間格差をなくし、医療の均霑化を図る。また、その結果として、乳癌診療の質の向上を目指す。以上を目的として、診療ガイドライン委員会内にQI小委員会を設置した。
QI小委員会の活動としては、診療ガイドラインにおいて、推奨グレードAが付いているCQの中で、どの程度実施されているかという遵守率を、乳癌登録データから自動的に算出できるものを選別した。次に、乳癌学会の認定施設、関連施設ごとに遵守率を算出し、各施設に対して、そのフィードバックを行い、データ入力上での誤入力がないかチェックをしてもらうこととした。今後は、経年的に遵守率を公開し、その向上を図るための施策を立てていく予定である。

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