演題抄録

がん診療ガイドライン統括・連絡委員会主催 シンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

食道癌診療ガイドラインの目指すもの 食道癌診断・治療ガイドラインアウトカムの検証

演題番号 : S23-4

[筆頭演者]
丹黒 章:1,2 
[共同演者]
北川 雄光:2、松原 久裕:2

1:徳島大学・大学院医歯薬学研究部・胸部・内分泌・腫瘍外科、2:日本食道学会

 

食道癌治療ガイドラインは日本食道疾患研究会に設置された「食道癌の治療ガイドライン作成委員会」を中心に編集され、食道癌の日常の診療に役立てることを目的に,多くの施設に共通して使用でき,現時点で最も妥当と考えられる食道癌の標準的な治療法を推奨するべく、2002年12月に第1版が出版された。食道癌の特徴は①合併症を有する高齢者に多く、患者側の要因が大きく治療方針に影響を与える。②食道癌根治手術は侵襲が大きく、化学・放射線治療が他の消化器癌に比べ有効で、早期癌から進行癌に至るまで治療法の多様化と選択肢が多岐にわたる。③信頼度の高いエビデンスが得られ難く、文献も少ない。④頸部食道癌手術における喉頭温存の問題や食道切除後の再建臓器と経路の選択、術前後の補助療法などその選択肢が多彩である。以上のような特異性を踏まえて、食道癌治療ガイドラインの改訂作業を「食道癌診断・治療ガイドライン検討委員会」において進め、さらに厚生労働医療技術評価総合研究事業「がん診療ガイドラインの適用と評価に関する研究」の指針も考慮に入れ、「診断」「食道癌治療後の経過観察」および「緩和医療」の分野を加え、「診断」の項では病変自体の診断に加え,「全身状態の評価」について項目ごとに「Clinical Question」を設け,その各々に対する推奨レベルを「Center for EBM」による推奨グレード(A~D)も加えて2007年4月に食道癌治療ガイドライン第2版が刊行された。2012年4月発刊の第3版では1)今回「疫学・現況・危険因子」,内視鏡的治療の中の「切除標本の取扱い,治療の完全性の評価法」,「周術期管理とクリニカルパス」,「サルベージ手術」,「バレット食道およびバレット癌に対する診療」,「重複癌に対する診療」,「欧米の治療成績とガイドライン」などを最近の動向と重要性に鑑み,新たに追加した。2)附表で予後曲線(全国登録の予後調査)を加えた。3)Clinical Question(CQ)形式は継続することとし,推奨度を再検討することとなった。4)推奨グレードをA,B,C,D からA,B,C1,C2,D に変更した。現在、がん治療学会診療ガイドラインに掲載されている食道癌診断・治療ガイドラインはこの第3版である。その利用状況についてアンケート調査の結果ならびに、2017年4月に発刊予定の第4版の準備状況について報告する。

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