演題抄録

がん診療ガイドライン統括・連絡委員会主催 シンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

がん診療ガイドラインの運用実態把握および標準的治療の実施に影響を与える因子の分析

演題番号 : S23-3

[筆頭演者]
藤原 俊義:1 
[共同演者]
西山 正彦:2、平田 公一:3、佐伯 俊昭:4、徳田 裕:5、向井 博文:6、鹿間 直人:7、山内 智香子:8、渡邉 聡明:9、馬場 秀夫:10、沖 英次:11、沖田 憲司:12、青儀 健二郎:13、加賀美 芳和:14、石黒 めぐみ:15

1:岡山大学・大学院医歯薬学総合研究科・消化器外科学、2:群馬大学・大学院・病態腫瘍薬理学、3:北海道旅客鉄道株式会社JR札幌病院、4:埼玉医科大学・国際医療センタ-・乳腺腫瘍科、5:東海大学・医学部・乳腺・内分泌外科学、6:国立研究開発法人国立がん研究センター東病院・乳腺・腫瘍内科、7:埼玉医科大学・国際医療センタ-・放射線腫瘍科、8:滋賀県立成人病センター・放射線治療科、9:東京大学・大学院・腫瘍外科学・血管外科学、10:熊本大学・大学院・消化器外科学、11:九州大学・大学院医学研究院・消化器・総合外科、12:札幌医科大学・医学部・消化器・総合、乳腺・内分泌外科、13:独立行政法人国立病院機構四国がんセンター・乳腺・内分泌外科、14:昭和大学・医学部・放射線治療学、15:東京医科歯科大学・医学部・応用腫瘍学

 

がん診療連携拠点病院における標準的治療の実施率にはいまだ大きな施設間格差があり、DPCデータに基づいた調査では、大腸がん術後補助化学療法49.6%、乳房切除後高リスク症例放射線治療33.1%、高度催吐性リスク化学療法制吐剤処方60.5%等、極めて低い実施率にとどまる標準的治療法が存在する。本研究では、乳がん、大腸がん、制吐剤の使用に焦点を絞り、がん診療ガイドラインに示された標準的治療の実施率等、その運用の実態を調査するとともに、その実施に影響を与える因子を明らかにし、がん診療ガイドラインに示された標準的治療が、高齢者や併存疾患等の個体差、地域・生活環境特性等にも適応しうるものか、その有用性と安全性を検証し、その普及と今後の課題について明らかにする。乳がん、大腸がん、制吐剤の3小班に分け、診療ガイドラインの作成母体である日本乳癌学会、日本癌治療学会、大腸癌研究会との緊密な連携のもとに既存データを用いて解析を進める。具体的には、乳がん小班は「National Clinical Database(NCD)」を用いて術後放射線療法の実施率を算出し、大腸がん小班は大腸癌研究会の「診療動向調査」の結果から術後補助化学療法の実施率を同定する。制吐剤小班では、日本癌治療学会 制吐薬適正使用ガイドライン改訂ワーキンググループが行ったアンケート結果から実施率を調べる。乳がん小班、制吐剤小班では、アンケート調査等で不十分な領域のデータを相互補完して、標準治療が実施されなかった理由など実態の検証にあたる。本研究により、標準的治療が広範に展開された場合の有効性・安全性と適応の限界等が明らかとなり、それらの課題を解決するための臨床研究が促され、よりきめ細やかな新規ガイドラインの作成に結びつくことが期待される。

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