演題抄録

がん診療ガイドライン統括・連絡委員会主催 シンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

がん診療ガイドラインの検証動向の現状

演題番号 : S23-2

[筆頭演者]
今村 将史:1 
[共同演者]
沖田 憲司:1、石黒 めぐみ:2、水島 恒和:3、森 正樹:4、杉原 健一:5、竹政 伊知朗:1、平田 公一:1

1:札幌医科大学・医学部・消化器・総合、乳腺・内分泌外科、2:東京医科歯科大学・大学院医歯学総合研究科、3:大阪大学・大学院医学系研究科、4:大阪大学・大学院医学系研究科・消化器外科学、5:東京医科歯科大学

 

【はじめに】本邦のがん診療ガイドライン事業は、2001年3月「胃癌治療ガイドライン」の公開に始まり、現在30以上の領域のガイドラインが公開されている。診療ガイドラインにおいては、「作成」のみならず「普及」「導入」「評価」といった一連のプロセスが肝要であり、「推奨医療の教育と普及」「診療動向変化の有無の検証と評価」「診療アウトカム改善の有無と評価」などがなされることにより、「作成」にフィードバックされ、新たな推奨医療の追加やガイドライン改訂へと繋がることが理想的な流れである。厚生労働省科学研究費補助金:がん対策推進総合研究事業「全国がん登録と連携した臓器がん登録による大規模コホート研究の推進及び高質診療データベースの為のNCD長期予後入力システムの構築に関する研究」の研究結果を中心に、本邦におけるがん診療ガイドラインの検証動向の現状を報告する。
【方法】本研究班の分担研究者の中から、臓器・組織別(14がん種)に「がん診療ガイドラインに関わった研究担当者」を対象として、「がん診療ガイドライン」における推奨医療内容の検証状況について、以下のアンケートを実施した。①推奨医療あるいはその関連医療を対象にその検証研究あるいは類似関連研究の実施・開始の有無(具体的研究項目、研究成果の論文化、研究を行う際の症例登録法、推奨医療内容の普及度、検証された推奨医療内容など)、②今後普及程度あるいは推奨医療内容検証の予定の有無、③ガイドラインの改訂回数、検証結果のガイドライン変更・加筆への影響・効果、などについてである。
【結果】①検証を実施しているがん種は57%、また検証研究の症例登録においてNCDまたは第三者機関を活用しているがん種は20%、②今後検証を予定しているがん種は60%であった。推奨医療については、学会ホームページや専門医制度カリキュラムあるいは各種セミナー等により衆知を図る体制をとっていた。③2回以上の改訂を行っているがん種は50%以上あり、約半数で検証・論文化がガイドラインの変更・加筆に影響を与えていた。
【まとめ】現在はガイドライン関係学会主導のもと検証がなされ、新たな推奨医療の追加や改訂へと繋がっている。今後本研究班では、学会別に「がん登録」と「臓器がん登録」の登録情報の突合を試み、NCDシステム等の導入を含め正確で科学的な研究分析体制を探索し、ガイドライン推奨内容の検証を試みたいと考えている。

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