演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

JASTROがん登録

演題番号 : S13-2

[筆頭演者]
手島 昭樹:1 
[共同演者]
沼崎 穂高:2、Jastro DB委員会:1,2

1:地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター・放射線治療科、2:大阪大学・大学院医学系研究科・医用物理工学講座

 

日本放射線腫瘍学会JASTROは2014年より症例登録を開始した。学会としての試みには歴史があり、1990年代より規模の大きい施設から、試験的にデータ収集が行われ、収集可能な調査項目やソフトウエア開発の経験を積んだ。個人情報保護法施行や臨床現場でのデータ入力負荷の問題で2000年代後半に一旦終了した。一方、米国で診療の質評価法として有名なPatterns of Care Study (PCS)(医療実態調査研究)を厚生労働省がん研究助成金の支援を受けて1996年にわが国で初導入した。各施設の診療内容を訪問調査し、診療の質を積極的に評価した。調査施設と症例は2段階クラスタサンプリングにより、全国の約80施設(全体の1割)、主要5疾患について約4000例(全体の2%)を調査し、収集データに統計補正を行うことにより診療過程の全国平均値national averageを求めた。施設規模により診療の質にさまざまな差が観察された。多くは施設の構造と関連していた。PCSの分析結果から診療の質を保証するための構造基準「がんの集学治療における放射線腫瘍学-医療実態調査研究に基づく放射線治療の品質確保に必要とされる基準構造-」 を2005年、2010年に出版し一般公開した。http://www.jastro.or.jp/aboutus/child.php?eid=00028
PCSは有力であるが、訪問調査の負荷が大き過ぎるので、恒常的な質評価システムを目指して入力負荷を最小化した症例登録の開発を厚生労働省科学研究費の支援を得て行ってきた。米国外科専門医会ACoSのNational Cancer Database(NCDB)をモデルとして既に開発を進めていたソフトウエアを発展させてJapanese Radiation Oncology Database (JROD)を完成した。http://jrod.jastro.or.jp/ JASTROでは2014年より症例登録事業を試験的に開始し、2015年よりデータセンターを放射線医学研究所に移管し本格運用を行ってきた。2016年より粒子線治療の全数登録も含めてJRODの運用が行われている。
「診療の質」は構造過程結果により評価される。JASTROでは構造は1990年より定期的に行われ実績がある。今回JRODにより過程、結果の評価が可能となり、質評価システムを完成した。

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