演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

Webによる全がん協加盟施設の生存率公表

演題番号 : S13-1

[筆頭演者]
猿木 信裕:1 
[共同演者]
三上 春夫:2

1:群馬県衛生環境研究所・所長、2:千葉県がんセンター・疫学研究部

 

がんは、国民の二人に一人がかかる時代であるが、がんの治療成績は確実に進歩している。がんと診断された時、患者さんは様々な情報を求めている。生存率もそうした情報の一つであり、全国がん(成人病)センター協議会(以下、全がん協)ではこれまで、院内がん登録の整備、精度向上に努めてきた。
全がん協加盟施設では、2006年に生存率公表指針を定め、2007年10月に一定の精度をクリアし、同意の得られた施設の部位別施設別生存率をWeb上に実名で公表した。その他に地域がん登録の生存率、学会主体の臓器別がん登録の生存率等が公表されているが、これまで患者さん自身の年齢や進行度を考慮した生存率を調べることは出来なかった。そこで、我々は、患者さんだけでなく、医療関係者にも利用していただけるように、Web上で自分自身で生存率を検索できるように「KapWeb」を開発し、2012年に公開した。その後、2016年1月には1999年~2002年症例の10年生存率を計測できる機能を追加した。10年生存率が計測できることにより、サバイバー生存率(仮称)を算出する事が可能となり、1年生存した患者さんのその後の5年生存率をWeb上で求めることができる。例えば、胃がんでは4年生存した人のその後の5年相対生存率は100%であり、「4年頑張ったから、今後の5年生存率は100%です」と説明する際の資料としても使えることになる。
がん診療連携拠点病院の院内がん登録が2007年から義務化され、全国で院内がん登録と地域がん登録の連携が進み、がん登録の精度が向上してきた。2013年12月には「がん登録等の推進に関する法律」が制定され、2016年1月から全国がん登録が開始された。生存確認調査は国立がん研究センターが一括して行う。全国がん登録に登録されたがん患者さんの5年生存率を算定するのは2022年1月以降となるので、これからも地域がん登録による生存確認調査や遡り調査が欠かせない。拠点病院の院内がん登録の届出には個人情報が含まれず、データチェックや届出はオンラインで行われている。全国がん登録もオンラインで登録する方向で準備が進んでおり、今後、わが国からのがん登録の詳細データの分析・公表だけでなく検診や医療費等、他のデータと連携したデータ解析に期待する。

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