演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

アンケート調査に基づいた「がん診療連携拠点病院からの要望」

演題番号 : S1-5

[筆頭演者]
藤 也寸志:1 

1:独立行政法人国立病院機構九州がんセンター

 

次期がん対策推進基本計画やがん診療連携拠点病院(以下、拠点病院)の指定要件の策定に向けた議論が開始されている。その中で、「検診」、「医療提供体制」、「緩和ケア」に関しては、厚生労働省においてそれぞれ検討会が作られ、課題や対応案を議論した上で、各提言が平成28年8月を目途にがん対策推進協議会へ報告されることになっている。本シンポジウムでは、以下の2つのアンケート調査の結果に基づいて拠点病院からの要望を発信する。
(1)都道府県拠点病院に対しては、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会で「今後のがん診療連携拠点病院のあり方」に関して、抄録作成時にアンケート調査が実施中であり、7月の連絡協議会で議論される予定である。その結果を紹介する。
(2)(1)では、都道府県拠点病院が各地域拠点病院の意見を収集して回答するべきものと考えるが、実情は取り纏めを行う都道府県は少ないと予想する。そこで、演者が所属する国立病院機構の拠点病院35施設(地域拠点=32)を対象に、「拠点病院として考える課題や指定要件に関する要望等」に関してアンケート調査を施行中である。主な質問項目を列記する。
① 拠点病院の現行の活動は、患者・家族の満足に繋がっているか?
② 現行の指定要件は、拠点病院からみて実現性において現実的か?、将来にわたって持続可能と考えるか?、「費用対効果」の面から見て妥当か?
③ 現場の混乱を来しているような指定要件はないか?
④ 拠点病院間の格差を感じるか?
⑤ がん医療の"均てん化"は実現されていると感じるか?、 "集約化"した方がいい領域はあるか?
⑥ 「均てん化と集約化のバランス」をとるために拠点病院は何ができるか?
⑦ 各地域行政の協力・支援は十分か?
⑧ 「多くのがん患者や家族のみならず、医療機関でさえ必要な情報にたどり着くことができていない」とされているが、拠点病院としてできることは何か?
 我々医療者は、どの課題に関しても患者や家族の視点に立って深く思いを致す事が求められている。一方で、拠点病院の指定要件は年々高度になってきている。厳しい医療経済状況の中で、国や都道府県の十分な経済的補助がない中、次期指定要件の策定においては、病院スタッフの使命感や情熱を維持し、その活動を持続させるための視点も必要だと感じている。国民と医療者が一体となって、がん医療を推進していくためのシステム作りを求めていきたいと思う。

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