演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

がん患者の立場からみたがん対策推進基本計画

演題番号 : S1-3

[筆頭演者]
天野 慎介:1 

1:一般社団法人全国がん患者団体連合会

 

国のがん対策推進基本計画は、第1期(計画年度:2007年~2011年)、第2期(2012年~2016年)と推進されてきたところ、国のがん対策加速化プランが2015年に策定され、第3期のがん対策推進基本計画の策定が現在、厚生労働省がん対策推進協議会において行われている。私は、厚生労働省がん対策推進協議会の患者委員として、第2期のがん対策推進基本計画の策定に関わるとともに、厚生労働省がん診療提供体制のあり方に関する検討会の構成員として、第3期のがん対策推進基本計画の策定に関わってきた。また、理事長を務める全国がん患者団体連合会では、がん対策加速化プラン並びにがん対策推進基本計画に対する要望活動を行ってきた。

第1期の基本計画の全体目標は「がんによる死亡者の減少(年齢調整死亡率を10年で20%減少)」「全てのがん患者・家族の苦痛の軽減・療養生活の質の向上」とされ、第2期では新たに「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」「働く世代や小児がん対策の充実」などが盛り込まれるなど、10年にわたりがん対策が行われてきたが、2015年に公開されたがん対策推進基本計画中間評価報告書では、主要ながんにおける治療や支持療法においても、拠点病院等においてその実施率に格差があることが示唆されている。

がん診療連携拠点病院の整備などを通して、主要ながんを中心に均てん化を目指したがん対策が推進されてきたが、現状では未だ格差があり、加えていわゆる難治がん、希少がん、小児がんについては、従来のがん対策では十分な施策が行われてきたとは言い難い面がある。ゲノム医療や個別化医療、がん医療の可視化を推進することにより、がん治療の更なる進歩が臨床の場において行き渡るようにするとともに、従来のがん対策で取り残されてきた難治がん、希少がん、小児がんなどの対策や、がん患者の身体的、精神的、社会的な痛みが取り除かれるよう、緩和ケアの推進や社会との協働が必要と考える。

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