演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

我が国におけるがん対策の現状と課題

演題番号 : S1-1

[筆頭演者]
渡辺 真俊:1 

1:厚生労働省・健康局がん・疾病対策課

 

がんは死因の第1位であり、2014年人口動態統計によると、がんによる死亡数は年間約37万人である。また、2011年のがんの罹患者数は年間85万人以上、継続的に医療を受けているがん患者数は約150万人と推計され、依然としてがんは国民の生命と健康を守る上で重要な問題である。
政府は、「対がん10カ年総合戦略」(昭和59年策定)等に基づいて継続的にがん対策に取り組んできたが、がん対策のより一層の推進を図るため、平成18年に成立した「がん対策基本法」に基づき、「がん対策推進基本計画」を策定し、がん対策を総合的かつ計画的に推進している。現在は、第二期がん対策推進基本計画(平成24年6月閣議決定)に基づき、「がんの年齢調整死亡率(75歳未満)の20%減少」、「全てのがん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上」、「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」という全体目標の達成に向けて、予防・診断・治療等に係る様々な取組を進めている。
さらに、平成27年12月には、基本計画に示されている分野のうち、①遅れているため「加速する」ことが必要な分野、②「加速する」ことにより死亡率減少につながる分野に絞り、短期集中的に実行すべき具体策を明示した「がん対策加速化プラン」を策定した。がん対策加速化プランは、①「予防」、②「治療・研究」、③「がんとの共生」を3つの柱とし、「予防」に関しては、がん検診、たばこ対策、学校におけるがん教育等の取組の推進、「治療・研究」に関しては、がんのゲノム医療、標準的治療の開発・普及、がん医療に関する情報提供、小児・AYA(Adolescent and Young Adult)世代のがんや希少がん対策等の推進、「がんとの共生」に関しては、がん患者の就労支援、支持療法の開発・普及、緩和ケアの推進に取り組み、基本計画で掲げた目標の達成を図ることとしている。
現在は、これまでの計画や施策を踏まえ、次期がん対策推進基本計画の策定に向け、がん対策推進協議会をはじめ、がん検診のあり方に関する検討会、がん診療提供体制のあり方に関する検討会、がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会等、各種の検討会で精力的に議論が進められているところである。

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