演題抄録

パネルディスカッション

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

小児期から青年期のがん患者のより良き対応を目指して

演題番号 : PD-4

[筆頭演者]
鍋谷 まこと:1 

1:宗教法人在日本南プレスビテリアンミッション淀川キリスト教病院・小児科、こどもホスピス

 

【はじめに】こどもホスピスは治癒が困難な小児がんおよび難病児に対し、周辺施設と連携しながらエンドオフライフケアやレスパイトケアを含む小児緩和ケアを提供する場所である。諸外国では30年以上の歴史があるが、我が国では未整備であった。我々は2012年11月に、アジアで初となる小児緩和ケア専門病棟を病院内に開設したので、その内容を報告する。小児がん患者の対象年齢は0歳から30歳未満までとしている。青年期までのがん患者さん、特に20歳未満の小児のがん患者さんの場合には、たとえ末期の状態になったとしても成人ホスピスを利用することは少なく自宅で過ごす場合が多い。しかしけいれんや呼吸障害などの症状を認める場合や、点滴管理や定期吸引などの医療的ケアが必要な場合には、自宅で過ごすことが困難なケースをしばしば経験する。一方で多くの小児病棟が感染管理の観点から小学生以下の兄弟の面会制限等があり、がん末期でも家族でゆっくり過ごすことが困難なケースも経験する。こういった場合に、こどもホスピスにおいて緩和的医療を提供しながら、家族と一緒に自宅のような環境でゆっくり過ごして貰うことを目的とし設立された【方法】開設3年間の内容を後方視的に検討した。病棟は12床から成り、全室個室であり、家族兄弟も過ごせるような構造とした。【結果】通常1週間までの家族のレスパイト目的の短期入院は3年間で小児難病や重症心身障害児者の登録者が251名であった(29.5%は人工呼吸使用、40.4%が気管切開施行、68.7%が経管栄養使用)。一方で小児がんの緩和ケア目的の入院数は19名であった。14名の方が死亡されたが14名中10名がこどもホスピス、2名が在宅、2名が他院で看取られた。生存5名中、1名は長期の緩和医療目的であるが、4名は在宅支援を目的に短期の利用を繰り返されている。症状緩和、ディシジョンメイキングの援助、患者及び家族への心理支援、エンドオフライフケア、ビリーブメントケア、感覚統合遊び、グループ活動などを実施した【考察】レスパイト入院は医療的ケアの高い患者が占めていて、今後安全性の面で課題を認めた。小児がんの利用は、終末期だけでなく、がん治療の寛解期などに短期に利用するケースもあり、他施設との連携が重要と考えられた。【結語】こどもホスピスには、がん末期における緩和医療だけでなく、家族で短期利用する形で地域での在宅生活を支援する役割も期待されていた。

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