演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

肛門管腺扁平上皮癌の1手術例

演題番号 : P9-6

[筆頭演者]
横山 航也:1 
[共同演者]
大多和 哲:1、清水 善明:1、近藤 英介:1、西谷 慶:1、伊藤 勝彦:1、清水 公雄:1、尾内 康英:1、中田 泰幸:1、宮原 洋司:1、石井 隆之:1

1:日本赤十字社成田赤十字病院・外科

 

【はじめに】肛門管癌は全大腸癌の約1%であり、組織別では腺癌または粘液癌が多く、腺扁平上皮癌の報告は少ない。今回経験した肛門管腺扁平上皮癌の症例について報告する。【症例】67歳男性【現病歴】肛門痛を主訴に近医を受診し、痔核と診断されるも症状改善せず当院紹介となる。【検査所見】肛門指診で肛門管の一部に硬結を触知したが、痛みが強く肛門鏡検査は施行出来なかった。大腸内視鏡検査では、肛門管の左側壁を中心として半周性の腫瘍性変化を認めた。粘膜は顆粒状で壁硬化を伴い易出血性であった。直腸内反転観察でヘルマン線を超えて下部直腸にわずかに及ぶ粘膜のひきつれを認めた。同部位からの生検で低分化腺癌の診断となった。単純CTで左側側方リンパ節の腫大を認めたため、ダイナミックCTとPET検査を施行しNo.263Dのリンパ節転移陽性の診断となった。【治療】以上よりリンパ節転移を伴う肛門管癌(腺癌疑い)の診断で、腹会陰式直腸切断術を施行した。リンパ節郭清は上方向D3郭清とし、側方は左側内腸骨末梢リンパ節(263D・lt)を2個摘出した。手術時間は5時間31分、出血量367g。術後に骨盤死腔炎と腸閉塞を併発したが、ともに保存的に軽快し、術後41日目に退院となった。【病理診断】P, 3型, 50x30x15mm, 環周率40%, N3(2/14, 263D・lt)、腺扁平上皮癌, pT3(A), int, INFb, ly1,v2, PN1で, stage IIIbであった。剥離面陽性と判断され、根治度判定はPM0, DM0, RM1, R1, Cur Bであった。【術後経過】術後補助化学療法としてSOX療法を8コース行った。術後1年が経過し再発を認めていない。【考察】肛門管は臨床的には恥骨直腸筋付着部上縁より肛門縁までの4cm程度の管状部と定義され、上皮の構成組織が多彩であるため、その腫瘍の組織像も様々である。我が国の肛門管癌の発生頻度は、腺癌・粘液癌が約70%、扁平上皮癌が15%で、残りがそれ以外と報告されている。なかでも腺扁平上皮癌は1%と比較的まれで報告が少ない。腺癌と比べてリンパ節転移をきたしやすく、予後不良であるといわれている。本症例では上方向や壁在のリンパ節に転移はなく、No.263D・ltのみに転移を認めた。【結語】比較的まれな肛門管腺扁平上皮癌の1手術例について報告した。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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