演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

Crohn病に合併した前立腺浸潤を伴う痔瘻癌の一例

演題番号 : P9-2

[筆頭演者]
浅井 竜一:1 
[共同演者]
松橋 延壽:1、高橋 孝夫:1、土屋 博:1、高野 仁:1、平田 伸也:1、櫻谷 卓司:1、前田 健一:1、棚橋 利行:1、松井 聡:1、今井 寿:1、田中 善宏:1、山口 和也:1、長田 真二:1、吉田 和弘:1

1:岐阜大学・医学部附属病院・腫瘍外科

 

【はじめに】Crohn病に合併した痔瘻癌の多くは炎症によって腫瘍境界が不明瞭のことが多く、術式選択は患者QOLに大きく影響するため慎重を要する。今回術前精査において前立腺浸潤を疑った症例の手術を経験したため報告する。【症例】50歳代、男性。【既往歴】20歳でCrohn病の診断、35歳時に穿孔性腹膜炎に対して結腸左半切除術、38歳時に虫垂炎に対して虫垂切除術、45歳時に小腸イレウスに対して癒着剥離術、同年に回腸狭窄に対して回盲部切除術、46歳時に痔瘻に対してシートン法による根治術を施行していた。【現病歴】近年になり肛門周囲膿瘍を繰り返すため近医にて定期的な処置を受けていたが、悪化傾向もあり肛門診察にて肛門管に腫瘍性病変を認め生検にて高分化~中分化腺癌され当科紹介となった。直腸診では肛門管左側中心に3型腫瘍を認め、肛門周囲の皮膚は広範囲に硬結を伴った。【検査所見】造影CT検査では、肛門管左側中心に造影効果を伴う境界不明瞭な30mmの腫瘤病変を認め前立腺浸潤を疑う所見を認めた。また直腸間膜内に18mmのリンパ節腫大を認めたが、明らかな遠隔転移を認めなかった。造影MRI検査では、前立腺、肛門挙筋、内外肛門括約筋への浸潤所見を認めた。血液検査ではCA19-9 124.7と上昇を認めた。【手術所見】痔瘻癌:E/P,type3,T4b(AI-前立腺),N1,M0 StageⅢaの診断にて、泌尿器科、形成外科合同で腹会陰式直腸切断術D3リンパ節郭清術、前立腺全摘術、膀胱瘻造設術、会陰部皮弁形成術を施行した。手術時間10時間51分、出血量4530mlであった。術後は会陰部のSSIを認めたが概ね経過良好であり術後30日目に退院となった。最終診断は痔瘻癌:E/P,86x30mm,type3,T4b(AI-前立腺、皮膚),N1(2/7),M0 StageⅢaであった。現在、術後8ヶ月経過し、補助化学療法を施行し無再発生存中である。【まとめ】Crohn病の小腸病変が併存しており骨盤内臓全摘術、回腸導管は好ましくないと考え術式を選択した。Crohn病に合併した痔瘻癌は比較的稀とされており、経過概要含めて報告する。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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