演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

多発転移を伴う切除不能横行結腸に対する化学療法CR後の原発巣再発を切除した1例

演題番号 : P9-1

[筆頭演者]
橋田 裕毅:1 
[共同演者]
大森 彩加:1、松原 孝明:1、熊田 有希子:1、北野 翔一:1、喜多 亮介:1、増井 秀行:1、岩村 宣亜:1、水本 素子:1、北村 好史:1、近藤 正人:1、小林 裕之:1、瓜生原 健嗣:1、細谷 亮:1、貝原 聡:1

1:地方独立行政法人神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院・外科

 

今回,我々は,化学療法にてCRとなった切除不能横行結腸癌多発肝転移腹膜播種症例の原発巣再発を切除した例を経験したので報告する.
症例は5歳女性.既往歴として耳下腺癌,脳腫瘍,乳腺腫瘍あり.6年前に横行結腸癌からの多発肝転移,腹膜播種に対し,化学療法を施行.Ras変異あり.1st lineにてBmab+mFOLFOX6で開始し8コース施行時点で,Grade2の末梢神経障害あり,2nd lineとしてBmab+FOLFIRIに変更.14コース施行し,near CRとなり,UFT/LVに変更.その後1年9か月後に,腹膜播種あり,再度Bmab+FOLFIRIを導入し,1年6か月後にCRとなった.休薬後7ヶ月で横行結腸癌の原発巣のみの再発を確認したため,Bmab+FOLFOXIRIを4コース施行した.原発巣切除で完全切除可能と判断し,原発巣に対し,腹腔鏡下横行結腸部分切除を施行した.術後経過は良好であった.病理組織検査では,リンパ節には壊死巣を認めたが、リンパ節転移の所見なく,pT3 pN0 であった.患者希望もあり,術後補助化学療法は施行していないが,術後1年経過した時点で転移再発なく経過している.
切除不能・進行再発大腸癌に対する化学療法は新規抗癌剤や分子標的薬の登場により,化学療法著効例を経験するようになった.切除不能例が化学療法などにより切除可能となるいわゆるAdjuvant Surgery施行例は非施行例と比較し,生存期間延長するという報告があり,術後再発巣の再切除例は長期生存の可能性がある.今後Adjuvant surgery前の化学療法のレジメンやAdjuvant surgery後の補助療法に対し更に検討していく必要がある.またAdjuvant surgeryには,抗腫瘍効果,早期の腫瘍縮小効果,高い切除率と低い合併症が必要であり,Conversion therapyと類似した概念である.本症例はCR後の再発という点では,Adjuvant surgeryやConversion therapyともやや意味合いが変わってくるが,切除にてR0となり化学療法後の外科治療として有意義なものであった.化学療法後に外科切除にて完全切除が見込まれる場合は,積極的に手術加療を考慮すべきと考えられる.

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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