演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

外来化学療法室における抗がん薬曝露調査と対策

演題番号 : P82-10

[筆頭演者]
原口 久義:1 
[共同演者]
國領 俊之:1、三谷 泰広:1、江上 優:1、金谷 由美子:2、池田 房夫:3、沖野 孝:3、山川 雅之:1

1:公立甲賀病院・薬剤部、2:公立甲賀病院・外来化学療法室、3:公立甲賀病院・外科

 

【目的】医療従事者の抗がん薬曝露については数多く報告されており、2014年5月に発出された厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課長通知(基安化発0529第1号)には、薬剤師等の抗がん薬曝露に対し防止対策を講じることが求められている。我々はシクロフォスファミド(以下、CP)の調製に閉鎖式接続器具を使用し、調製時の曝露防止対策を行ってきたが、外来化学療法室において投与・廃棄時の曝露防止対策が十分とは言えない。そこで外来化学療法室の抗がん薬汚染状況を調査し、曝露防止対策を検討した。
【方法】CPおよび5-フルオロウラシル(以下、5-FU)を対象とし、外来化学療法室のチェア付近床および廃棄BOX付近床を拭き取り、各抗がん薬の残渣量をコベルコ科研(株)に依頼し測定した。測定方法はLC-MSMS法でCPおよび5-FUの検出限界はそれぞれ10ngおよび20ngであった。2013年4月(1回目)、2014年1月(2回目)、2014年10月(3回目)および2015年10月(4回目)に測定した。CP調製は、全期間で閉鎖式接続器具を使用し、2回目測定以降は、薬剤部でプライミング処理を実施し、投与後の抜針時にチェア付近において密封袋に廃棄する対策を実施した。さらに、3回目測定以降は閉鎖式投与システムを導入し、抗がん薬投与後は生理食塩液でフラッシュした後抜針した。
【結果】CPはチェア付近床で4回目測定時のみ検出され、廃棄BOX付近床で全期間未検出であった。5-FUはチェア付近床で全期間において検出されたが、対策実施ごとに経時的な減少が見られ、廃棄BOX付近床で4回目測定時のみ未検出であった。
【考察】CPの汚染度は低く、閉鎖式接続器具が有効であると推察されるが、全期間を通して投与量の少なさが関係している可能性が考えられる。5-FUは、チェア付近床、廃棄BOX付近床ともに検出されたが、その検出量は経時的に減少していることから、3回目測定以降の対策が有効であったと推察される。しかし、抗がん薬の環境汚染は、両剤とも確認されており、閉鎖式接続器具による調製・投与システムを用いても抜針から廃棄までの手順において防止できないことから、防止対策を追加する必要がある。
【結論】薬剤部でのプライミング処理や抗がん薬投与後にフラッシュしてからの抜針手技、および閉鎖式接続器具による調製・投与システムを使用した抗がん薬の投与は汚染を軽減できるが、完全に曝露を防止するためには、さらなる改善が必要である。

キーワード

臓器別:その他

手法別:チーム医療

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