演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

胃癌患者に対するラムシルマブの使用経験

演題番号 : P8-6

[筆頭演者]
濱野 梨絵:1 
[共同演者]
戎井 力:1、美濃地 貴之:1、北原 知洋:1、柳沢 哲:1、岡村 修:1、福地 成晃:1、村田 幸平:1、横内 秀起:1、衣田 誠克:1

1:市立吹田市民病院・外科

 

<はじめに>
ラムシルマブは、血管内皮増殖因子受容体2に対する遺伝子組換えヒト免疫グロブリンG1のヒト型モノクローナル抗体で、米国では2014年4月に世界で初めて承認され、本邦では「治癒切除不能な進行・再発胃癌」の適応で2015年3月に承認された新しい分子標的治療薬である。2015年10月には胃癌治療ガイドラインの速報版が出され、二次治療としてパクリタキセル+ラムシルマブ療法が推奨度1となった。同時にこれまで推奨度1だったパクリタキセル単独療法、ドセタキセル単独療法、イリノテカン単独療法が推奨度2と変更された。
こうして日常臨床でもラムシルマブを使用できる素地が整えられたものの、日常臨床おいては体力が落ち栄養状態があまり良くない症例に対して施行することもあり、日々有害事象に気を配りながら手探りで治療を行っているのが現状である。今回、当院でラムシルマブを用いて治療を行った症例6名を経験したので、有害事象や効果について報告する。
<対象>
2015年9月~2016年3月に当科でラムシルマブによる治療を受けた進行再発胃癌患者6例。
<結果>
年齢は69歳(中央値、50-77歳)で、男性3例、女性3例、根治切除後の再発が5例、切除不能が1例だった。施行レジメンは全例パクリタキセル+ラムシルマブで、2nd lineが2例、3rd lineが4例。これまでのラムシルマブの投与回数は6.5回(中央値、3-14回)、dose intensityは80%(中央値、80-100%)だった。再発時からの生存期間は231.0日(中央値、145-807日)、ラムシルマブ投与開始時からの生存期間は112.5日(中央値、75-191日)だった。
有害事象について、グレード3以上の白血球減少1例、好中球減少3例にみられた。グレード3以上の貧血、AST上昇、しびれ、食思不振がそれぞれ1例ずつだった。グレード5の消化管穿孔が1例みられた。全症例の投与回数は延べ45回であり、投与回数ごとに有害事象を検討すると、全体の有害事象の発生率は25.4%でグレード3以上の発生率は2.36%と比較的少なかった。6例のうち2例は投与回数が10回を超え、現在も大きな有害事象なく継続中である。
<まとめ>
進行した胃癌患者において、ラムシルマブを継続することで効果の得られた症例が散見された。ただし穿孔や鼻出血など、これまでの抗癌剤とはやや異なる種類の有害事象も経験した。日常臨床ではPSの低下した症例に行うこともあるため、有害事象の発生には厳重な注意が必要である。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:分子標的治療

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