演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

破裂肝細胞癌に対して肝切除を施行した4例

演題番号 : P76-2

[筆頭演者]
松井 聡:1 
[共同演者]
長田 真二:1、今井 寿:2、棚橋 利行:2、森 龍太郎:2、森光 華澄:2、田中 善宏:2、松橋 延壽:2、高橋 孝夫:2、二村 学:2、山口 和也:2、吉田 和弘:2

1:岐阜大学・大学院医学系研究科・肝胆膵・がん集学的治療学、2:岐阜大学・大学院医学系研究科・腫瘍外科

 

【目的】肝細胞癌(HCC)破裂例の特徴と予後への影響を考慮するべく、経験症例を詳細に検討した。【対象】2004年以降117例のHCC肝切除中、4例(3.4%)の破裂例を未破裂のStage IVa例と比較した。【症例】 1:39歳女性、B型肝炎キャリア。出産後も腹部膨満が解消せず、画像上肝左葉に破裂した15cm大の多結節癒合型を伴う多発HCCを確認し、救命目的にて緊急肝左葉切除を施行、術後11日目に退院し残肝腫瘍にTACE等を行ったが14ヶ月後に現病死。2:71歳男性。咽頭癌に対し化学・放射線治療後、糖尿病とC型肝炎にて近医経過観察中に肝外側区域に6cm大の腫瘍を認め治療計画中に左側腹部痛にて緊急来院、画像上破裂を示唆されTAEを施行、1ヶ月後に肝部分切除にて摘出。9日目に退院となったが、2年後に残肝再発が出現し、TACE+RFAおよびソラフェニブ内服開始。1年後に左心横隔膜転移を切除し以降6年間生存中。3:72歳男性。食欲不振にて精査され食道癌と肝左葉中心に21cm大の腫瘍がみられ、肝破裂の懸念にて食道癌治療に先行して凖緊急的に開腹し、術中所見にて破裂を確認、肝部分切除術にて摘出。術後18日目に食道癌に対し化学療法を行い1ヶ月後に狭窄は一旦解消したが、高齢で化学療法の副作用から治療継続を拒まれBSCとなった。4:48歳女性、HBsAg陽性。階段から転落後にショック状態となり救急搬送、画像上肝右葉の9cm大腫瘍の破裂と判明、TAEによる止血を試みられた。肝内多発結節と肺にも病変がみられたが、再破裂の回避を目的に全身状態の改善を待って拡大肝後区域切除を施行した。術後20日目に退院され、TACE とソラフェニブ内服にて1年間生存中。【破裂例の検討】男女比は1:1、年齢と腫瘍径は中央値で59.5歳と12.0cm、2例にTACEが選択され、全例が緊急・凖緊急にて救命を目的とした手術となりR0切除は1例のみにとどまった。2例に他臓器癌を合併し直接死因となった1例以外は1年以上の生存を得られ、未破裂のStage IVa症例(6例)と破裂症例の比較では、3年生存率が62.5%と33.3%、50%無再発生存期間は162日と56日で、有意差 はなかった。【結語】破裂肝細胞癌は手術を含めた集学的治療を行うことで予後延長が期待できる。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:集学的治療

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